Z490 / Comet Lake-S環境でもWindows7が動作。ただしUSBカードが必須
Windows7はIntel第6世代Skylakeシリーズを最後にサポートが終了しており、第7世代Kaby Lake以降はサポートされていません。しかし、なんやかんやで、ベータドライバや有志作成ドライバを使用すれば第7世代Kaby Lake、第8世代Coffee Lake、第9世代Coffee Lake Refreshでも動作しました。
では、第10世代Comet Lake-SでもWindows7は使えるのでしょうか。試してみました。その結果がこちら。
はい、使えました。マザーボードはMSI MAG Z490 Tomahawk、CPUはCore i9-10900Kです。各種アプリケーションやゲームもちゃんと動作して、Intel XTUを使えばOS上からクロックの変更もできました。
ただし問題点がいくつか。
Z490 / Comet Lake-S環境でWindows7を使用する際の問題点 |
▼iGPUが使えない ▼マザーボードのUSBが遅い、相性がある これらの問題については、USBカードを増設することで打開可能です。玄人志向のUSB3.0 Type-A x4カード USB3.0RA-P4-PCIEをさしてみましたが、書き込み速度が300MB/sくらいになってシンセサイザーも認識するようになりました。 ▼マザーボードにPS/2ポートがないと面倒かも ▼自動的にクロックが下がらない、上がらない。ただし手動制御は可能 |
上記点さえクリアできればComet Lake-SでもWindows7マシンが組めます。ただし、マザーボードによってはWindows7用のLANやオーディオドライバが提供されていない場合もあるかもしれませんので、事前に要チェックです。
自分の使っているMSI MAG Z490 TomahawkのLANは、Intel、RealTekのサイトにWindows7用ドライバがありました。オーディオはRealTekのドライバだとインストール時にエラーが出ましたが、Microsoft標準の『High Definition Audio デバイス』プリインストールドライバで問題なく動作しました。余談ですが、このマザーボード、内臓サウンドにも関わらず音がかなり良いです(S/P DIF出力時)。高音は抜けるように綺麗で、低音のベースラインは形が見えるくらいクッキリしています。PS/2ポートも付いていて、さらにはVRM温度も低い良いマザーボードです。
以下、まとめになります。
- iGPUは基本的に使えないため別途グラボが必要(G1ステッピングCPUでは有志ドライバでiGPUが使用可能)
- マザーボード搭載USB(有志ドライバ)は微妙。USBカードの増設は必須
- PS/2ポートのないマザーボードは面倒かも
- アイドル時でもクロックが下がらず、高負荷時でもクロックが上がらない(ずっとベースクロックを維持)
- Intel XTUを使用すればOS上からクロックの変更が可能(K付きCPUに限る)。ただし、XTUのバージョンによっては動作しない。6.5.1.371は問題なく動作(Z490 TomahawkはドライバDVDに付属)。7.4.1.3は英語で「ドライバが見つからない」と表示されて起動せず。XTUインストール後はタスクスケジューラにテレメトリ『Intel Telemetry 2 (x86)』が追加されるので無効化推奨
- KB2990941とKB3087873を適用すればM.2 NVMe SSDも動作。MSはこれらのKBの配布を終了しているのでこちらよりどうぞ
--- 以下はZ490 Tomahawkの場合 --- - LANはIntelとRealTekがWindows7用ドライバを配布している
- オーディオはMicrosoft標準ドライバで動作。ラインアウト出力、S/P DIF出力、ラインイン入力の動作を確認。7.1ch動作は不明
Windows7はすでにサポートが終了していますが、互換性等の問題により、0patchやESUでセキュリティ対策をしたり、オフライン環境で使用している人もまだいらっしゃるのではないでしょうか。
Intel 400シリーズでも案外動きますので(少なくともMSI MAG Z490 Tomahawk + Core i9-10900Kという構成においては)、マシンのグレードアップを考えている方は挑戦してみるのもおもしろいかもしれません。ただ、使用するマザーボードや使い方、構成によっては上手くいかない可能性もあることはご留意ください。また、Intel 500シリーズはマザーボードによってはBSoDが出て動かないとの報告が出ていますのでご注意ください。