X670 vs. A620。Ryzen 7 7800X3Dでどれくらいの性能差があるのか [Update 1]
YouTubeチャンネルのMintegerにより、Ryzen 7 7800X3Dを用いたX670 vs. A620マザーボード対決が公開されました。
A620マザーボードはTDP65WのCPUに最適とされており、それを超えるCPUも使用できますが(できない場合もあります。詳細は後述)、VRMが弱ければパフォーマンスが低下する可能性があると以前よりAMDからアナウンスされています。
では、X670とA620とで実際にどういった性能差があるのでしょうか。TDP120WのRyzen 7 7800X3Dと、Gigabyte A620M GAMING Xの組み合わせでのゲーム性能差がこちら。
X670はCPUの動作クロックが4850MHzまで伸びていますが、A620は4492MHzに留まっています。その結果、CPUボトルネックが発生して、X670のGPU使用率は90%なところ、A620のGPU使用率は86%と低く、平均fpsはX670が340 fps、A620が332 fpsとなっています。
4タイトルのリザルトまとめがこちら。
4タイトルの平均fpsはX670がAvg 239.5 fps、A620がAvg 239 fpsと、平均してみれば誤差の範囲です。ただし、CPU性能を要求されるゲームタイトルでは、上記のようなCPUボトルネックになる可能性があることには注意が必要です。
次に、Cinebench R23でのリザルトがこちら。
X670はマルチ18143ポイントですが、A620はマルチ17330ポイントと、その差は約4.6%。こちらも、CPUクロックに違いが出ており、X670は4800MHzなところ、A620は4567MHzに留まっています。
これらの差を大きいと見るか小さいと見るかは人によって意見がわかれるところです。
なお、これらのベンチマーク結果はあくまでも『Gigabyte A620M GAMING X』でのリザルトであることはご留意ください。使用するA620マザーボードによってはこれよりも大きな差が生じたり、あるいは差がなかったりするかもしれません。
A620マザーボードは少々複雑で、各メーカーのモデルによってサポートしているCPUのTDPが65Wまでだったり、120Wまでだったり、あるいはそれ以上も対応していたりとまちまちです。また、120W以上のCPUをサポートしていたとしても、VRMによっては最大性能を発揮できない場合があります。
『Gigabyte A620M GAMING X』のCPUサポートリストには170WのRyzen 9 7950Xや120WのRyzen 9 7950X3Dも掲載されており、170Wまで対応するようです。ただ、おそらくVRMが弱く、上記のようにX670よりもクロックが低下しているものと思われます。
こういった差が気になる場合は、B650以上のマザーボードをおすすめいたします。逆に、高TDPのCPUを使用しない場合や、上記のような性能差を気にしない場合は、A620マザーボードはコストパフォーマンスに優れた選択肢となってくれるでしょう。
< Update 1 >
動画のコメント欄にMintegerによるコメントが書かれました。MintegerによるとX670は水冷、A620は空冷を使用していたため、A620も水冷にして再度テストしたところ、空冷よりも150~200MHzほどクロックが上がったとのこと。しかしながら、X670のように4800~4900MHzになることはなく、最終的にはX670とA620との差は200MHz前後になったそうです。