【Windows11】 WindowsUpdate 2024年8月 不具合情報 - プレビューリリースKB5041587 [Update 3]

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2024年8月28日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン23H2用更新プログラムKB5041587の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、2024年8月28日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴 [記事初公開日: 2024/8/28]
① 『機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト』にゲーム性能が向上する旨を加筆。 [2024/8/28]
② アプリがクラッシュする既知の不具合を加筆。 [2024/10/16]
③ IME使用時にアプリがクラッシュする既知の不具合内容および回避策を改訂。 [2024/11/13] [New]

Windows11 23H2用プレビューリリース: KB5041587

基本情報

KB5041587はWindows11 バージョン23H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

◆段階的ロールアウト(※すぐには反映されません)

  • Windows ShareのウィンドウからAndroidデバイスのコンテンツを共有できるようになりました
  • ナレーターのスキャンモードの反応がはやくなりました
  • 音声アクセスにおいて、よりはやいスピードで口述できるようになりました
  • ファイルエクスプローラーの以下不具合を修正
    • Windowsキー + Eキーを押してもフォーカスされなかったりする不具合を修正
    • CTRLキー + Fキーを押しても検索されない不具合を修正
    • 『開く』または『保存』ダイアログのパンくずの中の項目を開いたりブラウズしてもスクリーンリーダーが認識しない不具合を修正
    • カラムヘッダ内の項目を開いたりブラウズしてもスクリーンリーダーが認識しない不具合を修正
  • EEA地域のユーザー向けに、ウィジェットやフィードを作成するためのAPIとセキュリティを改善するためのアップデートをウィジェットボードに展開

◆通常ロールアウト(※こちらはすぐに反映されます)

  • AMDによると、CPUの分岐予測の最適化が含まれており、ゲーム性能が向上するとのこと
  • IME (Input Method Editor)において、コンボボックスに入力フォーカスがある場合、そのウィンドウを閉じるとメモリリークが発生する不具合を修正
  • 一部のモバイル通信事業者のCountry and Operator Settings Asset (COSA)プロファイルを最新のものへと変更
  • 特定のBluetoothポリシーを導入すると、外部デバイスの接続が失われる不具合を修正
  • シンボリックリンクにアクセスすると、システムが応答しなくなる不具合を修正
  • PCが正常に再起動しない不具合を修正
  • ノートPCを休止状態から復帰させるとPCが応答しなくなる不具合を修正
  • ファイルエクスプローラーにおいて、Shell Namespace Extensionを持つフォルダを参照すると、ナビゲーションペインが更新されない不具合を修正
  • Microsoft Entra single sign-on (SSO)において、EUデジタル市場法(DMA)が要求するSSO通知が頻繁に表示される不具合を修正
  • Windows Hello for Businessにおいて、PINのリセットが機能しない不具合を修正

不具合情報

KB5041587には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

[New]

日本時間で2024年6月26日以降にリリースされたWindows11 24H2 / 23H2 / 22H2およびWindows Server 2025用更新プログラムをインストールすると、WPFを使用するアプリケーションにおいて、日本語を含む特定のIME (Input Method Editor)使用時に不具合が発生する恐れがあります。

具体的には、アプリケーションの文字入力欄に文字を入力中にアプリケーションが応答しなくなったり、予期せず終了(クラッシュ)したりする場合があります。

詳細は以下の記事参照。
文字入力中にアプリがクラッシュする不具合。Windows11 23H2 / 22H2で発生  [Update 1: 24H2 / Server 2025でも発生]

本不具合の修正に関しては左記のリンク先の記事をご覧ください。

2024年8月のセキュリティ更新プログラム以降をインストールすると、WindowsとLinuxのデュアルブート環境において、Linuxが起動しなくなる場合があります。

この不具合は、デュアルブート環境に誤ってSecure Boot Advanced Targeting (SBAT)のアップデートが適用されてしまうことに起因しています。

詳細は以下の記事参照。
WindowsとLinuxのデュアルブート環境でLinuxが起動しない不具合。2024年8月の更新プログラムが原因

▼まだ2024年8月のセキュリティ更新プログラムをインストールしていない場合

まだ2024年8月のセキュリティ更新プログラムをインストールしていない場合、以下のレジストリを追加すればSBATのアップデートはインストールされず不具合も発生ません。

【キー】HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecureBoot\SBAT
【DWORD】OptOut
【値】『1』

将来的にSBATのアップデートをインストールする場合は、DWORD『OptOut』を削除してください。

▼すでにLinuxが起動しなくなっている場合

すでにLinuxが起動しなくなっている場合は以下の手順で復旧するようMicrosoftは案内しています。

  1. セキュアブート(Secure Boot)を無効化する
  2. Linuxを起動してターミナルを開き、コマンド『sudo mokutil --set-sbat-policy delete』を実行する。その後、Linuxを再起動する
  3. ターミナルでコマンド『mokutil --list-sbat-revocations』を実行してSBATの失効を確認する
  4. セキュアブートを有効化する
  5. Linuxを起動して、コマンド『mokutil --sb-state』を実行し、『SecureBoot enabled』(セキュアブートが有効)と表示されることを確認する。もし、disabled (無効)なら『4.』の手順を再び行う
  6. 上記『まだ2024年8月のセキュリティ更新プログラムをインストールしていない場合』を実行し、WindowsにSBATのアップデートがインストールされないようにする

現在、MicrosoftはLinuxパートナーとともに本不具合の調査を行っているとのことです。