【Windows11】 WindowsUpdate 2021年11月 不具合情報 - プレビューリリース KB5007262 [Update 4]

WindowsUpdate

Windows11 - WindowsUpdate

2021年11月23日にWindowsUpdateに配信されたWindows11用更新プログラムKB5007262の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2021年11月23日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴
① 日本語IMEが正常に動作しなくなる既知の不具合を加筆。 [2022/1/6]
② HDRモニター使用環境において表示がおかしくなる既知の不具合を加筆。 [2022/1/12]
③ Outlookで日付の新しい電子メールが検索結果に表示されない既知の不具合を加筆。 [2022/2/14]
④ 初期状態に戻す際に、ファイルが削除されない既知の不具合を加筆。 [2022/2/26] [New]

Windows11 21H2用プレビューリリース: KB5007262

基本情報

KB5007262はWindows11 バージョン21H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼修正された不具合・機能の改善・更新プログラムのハイライト

  • プリントクライアントPCがプリントサーバーで共有されているリモートプリンターに接続する際、0x000006e4 (RPC_S_CANNOT_SUPPORT)、0x0000007c (ERROR_INVALID_LEVEL)、0x00000709 (ERROR_INVALID_PRINTER_NAME)エラーが発生して印刷できない不具合を修正。この不具合は2021年10月13日公開のセキュリティ更新プログラムKB5006674から発生していました
  • Microsoft Installer (MSI)を使用するアプリケーションの修復やアップデート後に、アプリが開けなくなる不具合を修正。この不具合はKasperskyなどが影響を受けており、2021年11月10日公開のセキュリティ更新プログラムKB5007215から発生していました
  • Internet Printing Protocol (IPP) Over USBをサポートするUSBプリントデバイスがインストールできない不具合を修正
  • 一部のUSBプリンターが検出されない不具合を修正
  • IME (Input Method Editer)を使用しているときにテキストをコピー&ペーストすると、Internet Explorerが動作しなくなる不具合を修正
  • 通知領域の iFLY 簡体字中国語 IME アイコンの背景が正しく表示されない不具合を修正
  • ファイルエクスプローラーやデスクトップのショートカットメニューが表示されない不具合を修正。この不具合はアイテムをシングルクリックで開く場合によく発生していました
  • タスクバー上のアイコンのアニメーションのパフォーマンスを改善
  • Bluetoothオーディオデバイスに影響するボリュームコントロールの不具合を修正
  • ファイルエクスプローラーのウィンドウを閉じた後にファイルエクスプローラーが動作しなくなる不具合を修正
  • 一部のビデオのクローズドキャプションの影が正しく表示されない不具合を修正
  • Windows上から自動的にセルビア語(ラテン語)の言語が削除される不具合を修正
  • タスクバーのアイコンにカーソルを合わせるとちらつきが発生する不具合を修正。この不具合はコントラストの高いテーマを適用した際に発生していました。
  • 特定の条件下で、タスクビュー、Alt-Tab、またはスナップアシストを使用したときにキーボードフォーカスの長方形が表示されない不具合を修正
  • ヘッドセットを装着した際にWindows Mixed Realityが起動してしまう不具合を修正。この不具合は「ヘッドセットのプレゼンス センサーが装着しているのを検出した場合に Mixed Reality Portal を起動する」オプションをオフにしていても発生していました
  • PCから一時的にオーディオが消える不具合を修正
  • 一部の可変フォント(Variable Font)が正しく表示されない不具合を修正
  • Meiryo UIフォントやその他の縦書きフォントを使用したときに、文字が正しくない角度で表示される不具合を修正
  • タッチパッドを搭載したPCにおいて、一部のアプリケーションで入力に反応しなくなる不具合を修正
  • Windowsの大型アップデート(機能アップデート)後、最初の1時間、フォーカスアシストを自動的にオンにするかどうかを選択できるオプションを追加
  • Xbox OneおよびXbox Seriesのオーディオ周辺機器で空間オーディオを使用した際に音が歪む不具合を修正
  • Windowsの絵文字を改善。全ての絵文字をSegoe UI EmojiフォントからFluent 2D emojiスタイルに変更
    Windows 絵文字
  • Emoji 13.1には以下のサポートが含まれています
    ・絵文字辞書をアップデート
    ・サポートされている全ての言語で、Emoji 13.1を検索する機能が追加
    ・絵文字パネルをアップデート。アプリケーションで絵文字を入力できるように改善

追加情報

Microsoftは、非対応環境にWindows11をインストールした場合、WindowsUpdateを提供しないと述べていますが、2021年11月23日時点では非対応環境にも更新プログラムが降ってきています。

不具合情報

KB5007262には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

新しい日本語IMEを使用していると、アプリケーションにおいて、ローマ字/カナ入力モードが自動的に切り替わらない場合があります。

開発者向け情報: アプリケーションが『ImmSetConversionStatus』関数、またはVK_KANAキーエミュレーションを使用している場合、この不具合の影響を受けます。

詳細は以下の記事参照。
新しいIMEにまた不具合。入力モードが自動で切り替わらない。対処方法あり

以下のいずれかの対処方法をご検討ください。

< 対処方法A >
手動で入力モードを変更する。

< 対処方法B >
以前のバージョンのIMEを使用する。『設定』 → 『設定の検索』に「日本語 IME の設定」と入力して『日本語 IME の設定』を開く → 『全般』 → 一番下の『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更することでこの不具合を回避できます。

『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更

この更新プログラムをインストールすると、マルチバイト文字セット(MBCS)を使用するアプリケーションにおいて、日本語IMEを使用したテキスト入力が順番通り正常に行われなかったり、テキストカーソルが勝手に移動する不具合が発生する場合があります。

この不具合はMicrosoft製日本語IMEだけでなく、サードパーティ製の日本語IMEにも影響します。

詳細は以下の記事参照。
IMEにまた不具合。KB5008212やKB5007262などが影響

Microsoftは、この不具合をKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正すると述べており、一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。

企業や組織等で管理されているPCでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。

Windows10 21H2 / 21H1 / 20H2 / 2004用
Windows11 21H2用
Windows Server 2022用

詳細は『グループ ポリシーを使用して既知の問題ロールバックを展開する方法』をご覧ください。グループポリシーを設定後はPCを再起動する必要があります。

特定のHDRモニターを使用するWindows11 21H2環境において、一部の画像編集アプリ等で色が正常に表示されない・正しくレンダリングされない場合があります。この現象は、主に白色で頻繁に発生します。明るい黄色やその他の色でも発生する場合があります。

この不具合は、Win32 APIが特定の条件下で予期せぬ情報やエラーを返す際に発生します。全てのカラープロファイル管理プログラムが影響を受けるわけではなく、Microsoft Color Control Panelを含む、Windows11の設定ページで利用できるカラープロファイルオプションは正常に使用できます。

この不具合はWindows11のオリジナルリリース(初期状態)から発生しています。

詳細は以下の記事参照。
Windows11に色が正常に表示されない不具合。修正は2022年1月下旬

本不具合の対処方法や回避策はMicrosoftから案内されていません。

HDRモニターで発生するため、単純にHDRを無効化すれば不具合の影響は受けないものと思われます。お困りの方はお試しください。

Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、2022年1月下旬に修正を予定しています。

Outlookで日付の新しい電子メールが検索結果に表示されない場合があります。

詳細は以下の記事参照。
KB5008212にOutlookの検索が正常に動作しなくなる不具合。対処方法あり

以下のレジストリの値のデータを『1』に設定して、Windows Searchの使用をやめることで、一時的に回避可能です。ただし、検索に時間が掛かる場合があります。元に戻す場合は値のデータを『0』にするか、DWORD『PreventIndexingOutlook』を削除してください。

【キー】HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Windows Search
【DWORD】PreventIndexingOutlook
【値】『1』でWindows Searchを使用せずその都度検索するようになる、『0』でWindows Searchを使用する

レジストリエディター - 『PreventIndexingOutlook』を『1』に設定

[New]

『設定』 → 『システム』 → 『この PC をリセット』 → 『PC をリセットする』を押して『この PC をリセットする』ウィンドウを開き、『すべて削除する』を選択してもファイルが削除されない場合があります。

詳細は以下の記事参照。
初期状態に戻してもファイルが削除されない不具合。Windows10およびWindows11で発生

この不具合を回避するには、Windowsを初期状態に戻す前に、OneDriveからサインアウトするか、リンクを解除してください。詳細な手順は『OneDrive をオフにするか、無効にするか、アンインストールする』のページをご覧ください。

すでに初期状態に戻した環境においては、Windows.oldフォルダを削除することでもこの影響を軽減できます。手順はこちらのページ(英語ページ。日本語ページは機械翻訳で不正確)をご覧ください。

Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートを修正を予定しています。