【Windows11 24H2】 WindowsUpdate 2025年3月 不具合情報 - プレビューリリース KB5053656 BSoDやファイルエクスプローラーのメニュー上向き表示などを修正

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日本時間で2025年3月28日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン24H2用更新プログラムKB5053656の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、Windows11 バージョン24H2用KB5053656の不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴
初版。

Windows11 24H2用プレビューリリース: KB5053656

基本情報

KB5053656はWindows11 バージョン24H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

◆段階的ロールアウト(※すぐには反映されません)

  • ファイルエクスプローラーの三点リーダーメニュー『・・・』(『もっとみる』メニュー)をクリックすると、メニューが上向きに表示される不具合を修正
  • スリープから復帰時、PDC_WATCHDOG_TIMEOUTエラーのブルースクリーンエラー(ブルースクリーンオブデス / BSoD)が発生する場合がある不具合を修正
  • 2-in-1 PCにおいて、スリープ解除後、画面の向きが不意に変わる不具合を修正
  • Windows Searchを改良。従来のインデックス作成に加え、セマンティックインデックスも作成し、セマンティックサーチ(セマンティック検索 / Semantic Search)が行えるようになります。詳細は『Are there any improvements for search on Copilot PCs?』をご覧ください。この機能は、まずはSnapdragon CPU搭載のCopilot+ PCに展開されます。IntelおよびAMD CPU搭載のCpilot+ PCは後日対応予定です
  • Copilot+ PC環境ではクラウド上に保存された写真の検索がさらに簡単になります。例えば、ファイル名に関連しなくとも、『夏のピクニック』のような自然言語での検索ができます。この機能はMicrosoftアカウントでサインインし、インターネットに接続した状態で個人用OneDriveでお試しいただけます。詳細は『Are there any improvements for search on Copilot PCs?』をご覧ください。この機能は、まずはSnapdragon CPU搭載のCopilot+ PCに展開されます。IntelおよびAMD CPU搭載のCpilot+ PCは後日対応予定です
  • 入力関連に以下のアップデートを行いました
    • スクリーンキーボードがXboxコントローラーといったゲームパッドに対応
    • Windows11で絵文字やその他のパネルをより見つけやすくするために、新しいシステムトレイアイコンをタスクバーに追加
    • 特定のアプリからデータコピーの際にctfmon.exeが応答しなくなる不具合を修正
    • ctfmon.exeの信頼性を改善
  • ライブキャプションに以下のアップデートを行いました
    • IntelおよびAMD CPU搭載のCpilot+ PCにおいてライブキャプションとリアルタイム翻訳によりコミュニケーションを強化。リアルタイムビデオ通話、録音、ストリーミングコンテンツなどを含む44以上の言語を英語に翻訳できます
    • Snapdragon搭載Copilot+ PCでは、中国語へのリアルタイム翻訳もできます。対応言語は、アラビア語、ブルガリア語、チェコ語、デンマーク語、ドイツ語、ギリシャ語、英語、エストニア語、フィンランド語、フランス語、ヒンディー語、ハンガリー語、イタリア語、日本語、韓国語、リトアニア語、ノルウェー語、オランダ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スロバキア語、スロベニア語、スペイン語、スウェーデン語です
  • 音声アクセスに以下のアップデートを行いました
    • 音声アクセスが『自然言語コマンド』(Natural Language Commanding)により、自然な言葉使い(自然言語)でコマンドを実行できるように改善。この機能はまずはSnapdragon搭載のCopilot+ PCに提供されます
    • 音声アクセスで中国をサポート
  • EEA (欧州経済領域)でロック画面のウィジェットをサポート
  • NPU搭載環境でWindows Studio Effectsに対応したアプリを使用すると、システムトレイにアイコンが表示されます。アイコンを選択するとQuick SettingsのStudio Effectsページが開きます
  • MsiCloseHandle APIの実行時間が長くなる不具合を修正
  • 認証(Authentication)に以下のアップデートを行いました
    • RC4が使用されているとKerberos認証が応答しなくなる場合がある不具合を修正
    • ハイブリッドドメインに参加しているとFIDO Cached Credential Logonが応答しなくなる不具合を修正
    • アカウントのロックアウトポリシーが有効時、パスワード変更後に特定のアプリを開くと予期せずロックアウトされる不具合を修正
  • アップデートが応答しなくなり、ロールバックが発生した場合、不要で機能しないブートメニューが表示される不具合を修正
  • カラープロファイルに以下のアップデートを行いました
    • 『設定』 → 『システム』 → 『ディスプレイ』 → 『カラー プロファイル』の『Color management』に選択したモニターのカラープロファイル一覧が表示されない不具合を修正
    • スリープから復帰後、カラープロファイルの設定が適用されない不具合を修正
  • ファイルエクスプローラーの三点リーダーメニュー『・・・』(『もっとみる』メニュー)をクリックすると、メニューが上向きに表示される不具合を修正
  • 仮想NICの説明を修正
  • タスクバーの検索ボックスに以下のアップデートを行いました
    • EEA (欧州経済領域)におけるWindows Searchでの検索が改善されました。検出性が向上しました
    • EEAにおけるWindows SearchでのMicrosoft Bingアプリのウェブ検索プロバイダーは、検索結果をデフォルトのブラウザで開くようになりました
  • 日本ユーザーの場合、『設定』 → 『アカウント』上部に表示される名前を『姓』『名』と表示されるように修正
  • 以下の非推奨機能を削除します
  • タスクマネージャーのCPU使用率の計算方法を変更

◆通常ロールアウト(※こちらはすぐに反映されます)

  • リモートデスクトップ(RDP)のセッションが頻繁に切断される不具合を修正
  • Direct 3Dエコシステムにおいて、特定のサードパーティ製アプリがグラフィック設定ページで応答しなくなる不具合を修正
  • Dolby Vision対応ディスプレイにおけるHDRコンテンツの再生に影響する不具合を修正
  • Credential Roamingに影響を与えていた不具合を修正
  • ユーザープロファイルがネットワークのVirtual Hard Disk v2 (VHDまたはVHDX)にリダイレクトされる際にブシステムが応答不能になる不具合を修正
  • 特定のサードパーティ製アプリが原因で、グラフィック設定ページで応答しなくなる不具合を修正
  • インプレースアップグレード後、Local Administrator Password Solution (LAPS)の設定が保持されない不具合を修正
  • ポリシーによって設定されていても、新しいユーザーがデバイスにログオンするたびにESPが実行されな不具合を修正
  • デバイス構成に必要な、重要なPowerShellモジュールがWindows Defender Application Control (WDAC)ポリシーの下で実行されない不具合を修正

備考

2024年10月頃から報告されていたファイルエクスプローラーの三点リーダーメニュー『・・・』が上向きに表示されるという不具合がやっと修正されました。修正されるまで長かったですね……。

まら、スリープから復帰時にブルースクリーンエラーが発生する場合があるという不具合も修正されています。心当たりのある方は本更新プログラムをお試しください。(ただ、これって早急に修正されるべき不具合だと思うのですが、なぜか悠長に段階的ロールアウトとなっています。ちなみに、上向き表示の不具合修正も段階的ロールアウトです)

不具合情報

KB5053656には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

ARM CPU環境において、Microsoft StoreからRobloxをダウンロードしてプレイできません。

ARM CPU環境の方は、RobloxのWebサイトから直接ダウンロードすることでプレイできます

Citrix Session Recording Agent (SRA)バージョン2411をインストールしている環境において、日本時間で2025年1月15日に公開されたWindows11 24H2用更新プログラムKB5050009以降のインストールが完了しない場合があります。

Windows Updateの画面では正常にインストールされたように表示されますが、再起動時の適用画面でインストールに失敗してロールバックされます。

この不具合はCitrix Session Recording Agent (SRA)バージョン2411をインストールしている環境でのみ発生します。主に企業・組織に影響します。一般的なホームユーザーが影響を受ける可能性は低いものと考えられます。

Citrixはこの不具合に関するドキュメントを公開しています。ドキュメントにはこの不具合の回避策が記されています。

現在、Microsoftは、Citrixと協力してこの不具合の解決に取り組んでいるとのことです。