【Windows11】 WindowsUpdate 2022年10月 不具合情報 - プレビューリリース KB5017389 [Update 1]

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2022年10月1日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン22H2用更新プログラムKB5017389の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容の詳細については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2022年10月1日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴
① ファイルコピー速度が遅い不具合、プロビジョニングパッケージの不具合を加筆。 [2022/10/9] [New]

Windows11 22H2用プレビューリリース: KB5017389

基本情報

KB5017389はWindows11 バージョン22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • Micorsoft Office 365の各種アプリ(Outlook、Word、Teams)などにサインインできない不具合を修正
  • cldflt.sysとMicrosoft OneDriveによりブルースクリーンエラー(BSoD)が発生する不具合を修正
  • メモリリークが発生するおそれのある不具合を修正
  • XPSビューアーでXPSファイルやOXPSファイルが開けない不具合を修正
  • Windows Searchサービスを使用するとインデックスの作成が遅くなる不具合を修正
  • Microsoft Storeのアップデートが失敗する不具合を修正
  • チリにおけるサマータイムの開始日を2022年9月4日から2022年9月11日に変更
  • 特定の中国語の表示がおかしくなる不具合を修正
  • IEモードのタブが強制的にリロードされる不具合を修正
  • IEモードでPDFを開いたあと、そのウィンドウで別のページが開かなくなる不具合を修正
  • 動的なウィジェットコンテンツをタスクバーに追加
  • デュアルSIMが正常に動作しない不具合を修正
  • Microsoft Storeの署名がない一部アプリケーションにおいて、OSのバージョンアップ後に再インストールが必要になる不具合を修正
  • 特定のCPUで発生する不具合を修正。この不具合はHyper-Vとkernel Direct Memory Access保護(DMA保護)を有効にした際に発生しました。
  • タスクマネージャーが動作しなくなる不具合を修正
  • d3d9on12.dllを使用するグラフィックスドライバに影響する不具合を修正
  • 一部PCにおけるスリープモード時にDynamic Host Configuration Protocolが使用する電力を削減
  • IEモードでJavaScript URLによって生成されるURLをお気に入りに追加すると、正常に動作しない不具合を修正
  • 一部のサードパーティ製仮想デスクトップを使用すると、テキストの再変換に失敗するMicrosoft日本語IMEの不具合を修正
  • アプリケーションが応答しなくなることがある不具合を修正
  • 印刷キューの複製が作成される不具合を修正
  • LogonUI.exeが動作しなくなり、ロック画面を解除して認証画面を表示できない不具合を修正

不具合情報

KB5017389には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

Windows11 22H2環境において、プリンターが『Microsoft IPP Class Driver』または『Universal Print Class Driver』を使用する場合、カラー設定や両面印刷設定など、各種機能や設定が正常に使用できない・反映されない場合があります。その場合、デフォルトの設定しか使用できません。

(※この不具合はKB5017389固有の不具合ではなく、Windows11 22H2自体の不具合です)

詳細は以下の記事参照。
Windows11 22H2に正常に印刷できない不具合。対処方法・回避策あり

プリンターがデフォルトの設定しか使用できない場合、一度、当該プリンターを削除して再インストールしてください。

プリンターの削除と再インストール

『スタートボタン』 → 『設定』 → 『Bluetooth とデバイス』 → 『プリンターとスキャナー』で当該プリンターを削除し、『デバイスの追加』から再インストールができます。

[New]

リモートコンピューター(例えばSMB経由)からWindows11 バージョン22H2マシンに大きなファイル(数GB)をコピーする際、本来より40%ほど低速になる場合があります。この不具合はローカルでのファイルコピーでも発生する可能性があります。

詳細は以下の記事参照。
ファイルコピー速度が40%も遅い不具合。Windows11 バージョン22H2で発生

一時的な回避策として、『robocopy』または『xcopy』に『/J』のパラメーターを付けてコマンドプロンプトなどからファイルコピーを行うようMicrosoftは案内しています。コマンド例が以下。

robocopy \\someserver\someshare c:\somefolder somefile.img /J
xcopy \\someserver\someshare c:\somefolder /J

コマンドを打つのが面倒だったり、あまりの遅さに我慢できない場合は、Windows11 21H2へのロールバックをご検討ください。Windows11 21H2から22H2へとアップデートした環境であれば、

Windows11 22H2から21H2へと戻す方法

『設定』 → 『システム』(左側) → 『回復』(右側) → 『復元』の『戻す』を押して、そのまま進めていけば21H2に戻せます。

現在、Microsoftは修正に取り組んでいるとのことです。

[New]

プロビジョニングパッケージを使用してWindows11 バージョン22H2をインストールすると、OSが部分的にしか構成されず、初期セットアップ(Out Of Box Experience / OOBE)が終了しなかったり、予期せず再起動が起こる場合があります。

プロビジョニングパッケージは多数のPCにOSを展開する仕組みで、主に企業や組織等を対象にしたものです。プロビジョニングパッケージを使用しない場合(普通にインストールする場合)はこの影響を受けません。

また、Windows Autopilotを使用するWindows PCのプロビジョニングもこの問題の影響を受けません。

詳細は以下の記事参照。
プロビジョニングパッケージが正常に動作しない不具合。Windows11 22H2にて

Microsoftによると、Windows11 バージョン22H2へとアップグレードする前に、Windows PCにプロビジョニングを行うことができれば、この不具合を回避することができるとされています。

現在、Microsoftは本不具合を調査しており、今後のアップデートで修正を予定しています。