【Windows10】 WindowsUpdate 2025年1月 不具合情報 - プレビューリリース KB5050081 USBオーディオDACの不具合を修正、ほか

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日本時間で2025年1月29日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用更新プログラムKB5050081の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、2025年1月25日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムの不具合は割愛しています。

更新履歴
初版。

Windows10 22H2用プレビューリリース: KB5050081

基本情報

KB5050081はWindows10 バージョン22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • USBオーディオDACやサウンドデバイス(USBヘッドフォンなど)が動作しない不具合を修正
  • 上記DACの不具合に関連して、デバイスマネージャーで『デバイスの状態』に「このデバイスを開始できません。(コード 10) システム リソースが不足するため、API を終了できません。」と表示される不具合を修正
  • USBカメラを認識しない不具合を修正
  • 新しいOutlook (Outlook (new))を利用できるようになりました
  • Capture ServiceとSnipping Toolが応答しなくなる不具合を修正
  • 中国語IMEにおいて、検索エンジンの検索ボックスで自動候補の表示を停止しました。手動で候補を表示するにはCTRL+TABキーまたは『>』ボタンを押してください
  • 中国の国家標準規格(GB18030-2022)に対応
  • 仮想メモリが枯渇する不具合を修正
  • NFC (Near Field Communication / 近距離無線通信)リーダーがカードのUUID (Universal Unique Identifiers)の読み取りに失敗する不具合を修正
  • USBプリンターおよびIPP Over USBにおいて、Spoolerの初期化時に失敗する不具合を修正
  • Windows Kernel Vulnerable Driver Blocklistファイル(DriverSiPolicy.p7b)を更新。この更新により、Bring Your Own Vulnerable Driver (BYOVD)攻撃の危険にさらされる恐れがあるドライバをリストに追加しました

追加情報

KB5050081では、日本時間で2025年1月15日リリースのセキュリティ更新プログラムKB5049981インストール後から発生していた、一部のUSBオーディオDACやサウンドデバイスが動作しなくなる不具合が修正されています。同様に、USBカメラ(Webカメラ)が動作しない不具合も修正されています。これらの不具合にお困りだった方はKB5050081のインストールをお試しください。

不具合情報

KB5050081には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

日本時間で2024年10月9日にリリースされたWindows10用セキュリティ更新プログラムKB5044273以降をインストールすると、OpenSSH SSH Serverサービス(sshd サービス)の起動に失敗し、SSH接続ができなくなる場合があります。

この不具合が発生した場合の対処方法・回避策として、以下の手順を行うようMicrosoftは案内しています。

  1. PowerShellを管理者として実行してください。
  2. C:\ProgramData\ssh』と『C:\ProgramData\ssh\logs』の権限を更新してください。SYSTEMとAdministratorsグループにフルコントロールを許可し、Authenticated Usersには読み取りアクセスを許可してください。必要に応じて権限文字列を変更することで、特定のユーザまたはグループへの読み取りアクセスを制限できます。以下のコマンドを使用して権限を更新してください。
    $directoryPath = "C:\ProgramData\ssh" $acl = Get-Acl -Path $directoryPath $sddlString = "O:BAD:PAI(A;OICI;FA;;;SY)(A;OICI;FA;;;BA)(A;OICI;0x1200a9;;;AU)" $securityDescriptor = New-Object System.Security.AccessControl.RawSecurityDescriptor $sddlString $acl.SetSecurityDescriptorSddlForm($securityDescriptor.GetSddlForm("All")) Set-Acl -Path $directoryPath -AclObject $acl
  3. 同様に『C:\ProgramData\ssh\logs』に対しても上記手順を行ってください。

現在、Microsoftは本不具合の調査および解決に取り組んでいるとのことです。

Citrix Session Recording Agent (SRA)バージョン2411をインストールしている環境において、日本時間で2025年1月15日に公開されたWindows10 23H2用更新プログラムKB5049981以降のインストールが完了しない場合があります。

Windows Updateの画面では正常にインストールされたように表示されますが、再起動時の適用画面でインストールに失敗してロールバックされます。

この不具合はCitrix Session Recording Agent (SRA)バージョン2411をインストールしている環境でのみ発生します。主に企業・組織に影響します。一般的なホームユーザーが影響を受ける可能性は低いものと考えられます。

Citrixはこの不具合に関するドキュメントを公開しています。ドキュメントにはこの不具合の回避策が記されています。

現在、Microsoftは、Citrixと協力してこの不具合の解決に取り組んでいるとのことです。

日本時間で2025年1月15日以降に公開された更新プログラムをインストール後、イベントビューアーに『SgrmBroker.exe』(=『System Guard ランタイム モニター ブローカー』サービス)に関するエラーが記録される場合があります。

2025年1月15日以降に公開された更新プログラムと『SgrmBroker.exe』の競合によりエラーが記録されます。しかし、パフォーマンスやWindowsの機能、セキュリティには何の影響もありません。エラーが記録されるだけです。

詳細は以下の記事参照。
イベントビューアーにエラーが記録される不具合。Windows10 22H2で発生。Windows Update KB5049981が原因。しかし

現在、『SgrmBroker.exe』は使用されておらず、何の役割も果たしていないため、エラーが発生しても特にこれといった問題はありません。Microsoftはこの不具合の解決に取り組んでおり、いずれ修正される予定です。

しかし、どうしても、エラーが記録されるのが気になる方は、Microsoftによると以下に手順でエラーの発生を防げるとのこと。

  1. コマンドプロンプト(管理者として実行)を起動して『sc.exe config sgrmagent start=disabled』と入力してエンターキーを押してください。
  2. 続けて『reg add HKLM\System\CurrentControlSet\Services\SgrmBroker /v Start /d 4 /t REG_DWORD』と入力してエンターキーを押してください。
  3. コマンドプロンプトを閉じてください。

これでエラーが発生しなくなります。しかし、繰り返しになりますが、このエラーが発生してもPCのパフォーマンスや機能、セキュリティ等には何も影響がなく、上記手順をわざわざ行ってもイベントビューアーにエラーが記録されなくなるだけで、それ以上でも以下でもありません。