【Windows10】 WindowsUpdate 2023年3月 不具合情報 - プレビューリリース KB5023773

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2023年3月22日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用更新プログラムKB5023773の不具合情報です。

月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容の詳細については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。

以下、2023年3月22日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。

更新履歴
初版。

Windows10 22H2 / 21H2用プレビューリリース: KB5023773

基本情報

KB5023773はWindows10 バージョン22H2 / 21H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • USBプリンターをマルチメディアデバイスと誤認識される不具合を修正
  • lsass.exeの応答が停止する不具合を修正
  • Windows Graphical Device Interface (GDI)を使用している一部のプリンターに影響する互換性の不具合を修正
  • Distributed Component Object Model (DCOM)とMicrosoft Remote Procedure Call (RPC)のエンドポイントマッパーの間で競合状態が発生する不具合を修正
  • Microsoft HTML Application Host (HTA)のコード実行がブロックされる不具合を修正
  • この更新プログラムは、ms-appinstaller URIに影響します。DesktopAppInstallerポリシーで動作するようになります
  • 以前に設定したオプションが消えるというDesired State Configurationに影響する不具合を修正
  • 一部のSCEP (Simple Certificate Enrollment Protocol)証明書のインストールが失敗する不具合を修正
  • Fast Identity Online 2.0 (FIDO 2) PINクレデンシャルアイコンに影響する不具合を修正
  • この更新プログラムにより、Windows App SDKのWindows UI Library (WinUI 3)を使用するアプリケーションで印刷が可能になります
  • クリーンアップ中に複数のアカウントを削除できないというShared PC Account Managerの不具合を修正

不具合情報

KB5023773には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

カスタムオフラインメディアまたはカスタムISOイメージからWindows10をインストールした環境だと、この更新プログラムによってMicrosoft Edge Legacyが削除されても、新しいMicrosoft Edgeに自動的に置き換えられない場合があります。

この不具合は、カスタムオフラインメディアまたはISOイメージが、2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)を最初にインストールせずに、この更新プログラムをイメージにスリップストリームして作成された場合にのみ発生します。

なお、WindowsUpdateに直接接続して更新プログラムを受信するデバイスは影響を受けません。これにはWindows Update for Businessを使用しているデバイスも含まれます。

この不具合を回避するには、最新の累積更新プログラム(LCU)をスリップストリームする前に、まず2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)をカスタムオフラインメディアまたはISOイメージにスリップストリームしてください。

1. 以下のコマンドでmsuからcabを抽出します。(KB5000842での例)

expand Windows10.0-KB5000842-x64.msu /f:Windows10.0-KB5000842-x64.cab <保存先のパス>

2. 以下のコマンドでcabからSSUを抽出します。

expand Windows10.0-KB5000842-x64.cab /f:* <保存先のパス>

3. これでSSU cab『SSU-19041.903-x64.cab』が作成されます。このファイルを最初にイメージスリップストリームして、次にLCUを入れてください。

カスタムメディアを使用してOSをインストールした際にこの不具合が発生した場合は、新しいMicrosoft Edgeを直接ダウンロードして手動インストールすることで、この不具合に対処できます。新しいMicrosoft Edge for businessを広範囲に展開する必要がある場合は、『ビジネス向け Microsoft Edge をダウンロードして展開する』を参照してください。

備考: 2023年1月20日に公開されたKB5019275の『修正された不具合』に

  • タスクバーがチラついたり、エクスプローラーが応答しなくなる不具合を修正。この不具合は『ニュースと関心事項』が原因で発生していました

という一文があります。以下の不具合と類似しているため、以下の不具合は修正されたのかもしれません。しかし、Microsoftが公開している不具合情報では、まだ以下の不具合が修正されたという記述はありません。別問題なのか、Microsoftが情報を更新し忘れているのかは定かではありません。

修正されたという情報が記されていないため、引き続き掲載いたします。

2022年9月21日公開のプレビューリリースKB5017380以降をインストールすると、タスクバーが正常に動作しなくなったり、システムが不安定になる場合があります。具体的には、以下のような症状が発生する場合があります。

  • タスクバーが応答しなくなる
  • Windows Explorerが応答しなくなる
  • タスクバーの『天気』や『ニュースと関心事項』のウィジェットおよびアイコンの表示がちらつく
  • これらの問題発生時にMicrosoft WordやExcelなどのOfficeアプリを開いていると、巻き添えでOfficeアプリも応答しなくなる
詳細は以下の記事参照。
タスクバーやシステムが不安定になるなどの不具合。WindowsUpdateに起因。Windows10で発生

この不具合は、Known Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されます。一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。

企業や組織等で管理されているPCでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。

詳細は『グループ ポリシーを使用して既知の問題ロールバックを展開する方法』(日本語ページは機械翻訳で意味不明な箇所あり。英語ページはこちら)をご覧ください。

2022年11月9日以降に公開された更新プログラムをインストールすると、DirectXまたはDirect 3Dを使用する一部のエンタープライズ(企業)向けアプリにおいて、断続的にapphelp.dllのエラーが発生する場合があります。

この不具合は、Intelグラフィックスドライバのバージョン26.20.100.7463から30.0.101.1190までを使用している場合に発生します。

この不具合は、主にエンタープライズ向け環境で発生し、一般的なホームユーザー環境で発生する可能性は低いとされています。

詳細は以下の記事参照。
DirectXアプリがエラーを吐く不具合。Windows10や11等で発生。対処方法あり

バージョン30.0.101.1190よりも新しいIntelグラフィックスドライバをインストールすることで、この不具合は発生しなくなります。

また、Microsoftは、この不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。

2023年1月11日以降にリリースされた更新プログラムをインストールすると、自動ログインを有効にしたキオスクモード環境において、自動的にログイン(サインイン)しない場合があります。

詳細は以下の記事参照。
キオスクモード環境で自動ログインできない不具合。Windows10やWindows11などで発生

Microsoftは本不具合の対処方法や回避策を案内していません。2023年1月11日以降の更新プログラムをすべてアンインストールすれば、本不具合は発生しなくなりますが、セキュリティ更新プログラムをアンインストールすると脆弱性が未修正のままになるため注意が必要です。

Microsoftは、不具合の解決に取り組んでおり、今後の更新プログラムで修正を予定しています。