【Windows10】 WindowsUpdate 2021年3月 不具合情報 - プレビューリリース KB5000842 / KB5000850 [Update 6]
2021年3月26日にWindowsUpdateに配信されたWindows10 バージョン1909用更新プログラムKB5000850と、3月30日に配信されたバージョン20H2 / 2004用更新プログラムKB5000842の不具合情報です。
月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。
『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。
以下、2021年3月26日~3月30日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』『サービススタックアップデート』などの更新プログラムおよびWindows Server固有の不具合は割愛しています。
更新履歴 ① KB5000850に特定の条件下でEdgeが置き換わらない既知の不具合を加筆。 [2021/3/26] ② 2021年3月30日にバージョン20H2 / 2004用プレビューリリースKB5000842が配信、記事に加筆。1909用KB5000850の既知の不具合が一つ削除された旨を加筆。 [2021/3/30] ③ 20H2 / 2004用KB5000842にゲームパフォーマンスが悪化する不具合(ユーザー報告)を加筆。 [2021/4/16] ④ 20H2 / 2004用KB5000842にBSoDループが発生する不具合(ユーザー報告)を加筆。 [2021/4/19] ⑤ 20H2 / 2004用KB5000842で発生しているゲームパフォーマンスが悪化する不具合をMicrosoftが認めたため、ユーザー報告から既知の不具合へ移動。また、KIRで修正する旨を加筆。1909用KB5000850に新たにスクロールバーが正常に動作しなくなる既知の不具合が追加されました。その旨加筆。 [2021/4/24] ⑥ 20H2 / 2004用KB5000842に音にノイズが乗る既知の不具合を加筆。 [2021/5/15] [New] |
20H2 / 2004用プレビューリリース - KB5000842
KB5000842
KB5000842はWindows10 バージョン20H2 / 2004用のプレビューリリースと呼ばれるセキュリティアップデートを含まない累積更新プログラムです。
本更新プログラムをインストールすると、2021年3月10日に配信されたセキュリティアップデートKB5000802および3月16日に緊急リリースされたKB5001567で発生していた印刷に関する各種不具合(ブルースクリーンエラー(BSoD)が発生したりや正常に印刷されないなど)が修正されます。
印刷に関する不具合は3月19日に緊急リリースされたKB5001649で全て修正されていますが、KB5000842にも同じ修正が含まれています。もし、KB5001649を未適用で、印刷に関する不具合にお困りの場合は、KB5000842をインストールすることでも不具合は発生しなくなります。すでにKB5001649をインストール済みの場合は、わざわざKB5000842をインストールする必要はありません。(印刷の不具合に困っていない場合はどちらもインストールする必要はありません)
KB5001649 → 印刷の不具合のみを修正
KB5000842 → 印刷の不具合、および、その他複数の不具合を修正。ただし、冒頭にも書いていますように、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。
KB5000842には以下の既知の不具合があります。
不具合概要 | 回避策 | ||
ふりがなの自動入力が正常に動作しない場合があります。例えば、漢字で氏名を入力した際にふりがなも自動入力されるようなアプリケーションを使用すると、正しくないふりがなが表示される場合があります。 この不具合は『ImmGetCompositionString()』関数を使用するアプリで発生します。 この不具合は、2020年6月10日以降(KB4557957以降)のWindows10 バージョン20H2 / 2004のすべての更新プログラムに影響します。
| 『設定』 → 『設定の検索』に「日本語 IME の設定」と入力して『日本語 IME の設定』を開く → 『全般』 → 一番下の『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更することでこの不具合を回避できます。 | ||
2020年9月16日(現地時間)以降の更新プログラムを適用したWindows10 バージョン1809以降の環境から、2020年10月13日(現地時間)以降の更新プログラムが統合されていないメディアやインストールソースを使用して後継バージョン(20H2、2004、1909、1903)へアップデートした際、システム証明書とユーザー証明書が消失します。 主に、Windows Server Update Services (WSUS)、Microsoft Endpoint Configuration Managerなどからアップデートした場合に発生します。また、最新の更新プログラムが統合されていない物理メディアやISOイメージからアップデートした場合にも発生する可能性があります。 通常のWindowsUpdate経由やWindows Update for Businessからアップデートした場合にはこの不具合は発生しません。
| Microsoftによると、この不具合が発生した場合は以前のバージョンにロールバックすることで解決できるとされていますが、すでにロールバック可能期間を過ぎている場合の解決策は案内されていません。 また、Microsoftは2020年12月11日付けでこの不具合情報を更新し、最新の機能更新プログラムのバンドルおよび更新されたメディアを使用することでこの不具合は発生しないとのことです。 | ||
濁点や半濁点が付いている一部の半角カタカナと全角カタカナの文字は、同じ文字として解釈されません。CompareStringEx()関数でNORM_IGNOREWIDTHフラグを指定して比較すると、ソートルールの不具合により、これらの文字は異なるものとして評価されます。この不具合は、2020年6月10日以降のWindows10 バージョン20H2 / 2004のすべての更新プログラムに影響します。 | コマンドプロンプト(管理者)を開いて、以下のコマンドを入力・実行してください。
上記コマンドはレジストリのデータを書き換えるコマンドです。PCを再起動するとソートルールが1909以前に戻って不具合が発生しなくなります。 ただし、この回避策は、2020年12月1日公開のKB4586853以降が適用されている環境でのみ行ってください。KB4586853以降が適用されていない環境で行うと、PCが起動しなくなる恐れがあります。 また、Microsoftは元に戻す方法を案内していませんので実行する際はご注意ください。 こちらの環境で調べたところ、元のデータは20H2 / 2004ともに『00060305』だったので以下を実行すれば元に戻るはずです。
環境によってデータが異なるなんてこともあるかもしれませんので、レジストリエディターで『HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\Sorting\Versions』を開いて、『(既定)』の変更前のデータを確認しておくことをおすすめいたします。 上記内容でいまいちよくわからない場合や、この不具合に困っていない場合は、この回避策の実行はおすすめいたしません。修正されるのを待つことをおすすめいたします。 | ||
カスタムオフラインメディアまたはカスタムISOイメージからWindows10をインストールした環境だと、この更新プログラムによってMicrosoft Edge Legacyが削除されても、新しいMicrosoft Edgeに自動的に置き換えられない場合があります。 この不具合は、カスタムオフラインメディアまたはISOイメージが、2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)を最初にインストールせずに、この更新プログラムをイメージにスリップストリームして作成された場合にのみ発生します。 なお、WindowsUpdateに直接接続して更新プログラムを受信するデバイスは影響を受けません。これにはWindows Update for Businessを使用しているデバイスも含まれます。 | この不具合を回避するには、最新の累積更新プログラム(LCU)をスリップストリームする前に、まず2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)をカスタムオフラインメディアまたはISOイメージにスリップストリームしてください。 1. 以下のコマンドでmsuからcabを抽出します。(KB5000842での例)
2. 以下のコマンドでcabからSSUを抽出します。
3. これでSSU cab『SSU-19041.903-x64.cab』が作成されます。このファイルを最初にイメージスリップストリームして、次にLCUを入れてください。 カスタムメディアを使用してOSをインストールした際にこの不具合が発生した場合は、新しいMicrosoft Edgeを直接ダウンロードして手動インストールすることで、この不具合に対処できます。新しいMicrosoft Edge for businessを広範囲に展開する必要がある場合は、『ビジネス向け Microsoft Edge をダウンロードして展開する』を参照してください。 | ||
KB5000842以降の更新プログラムをインストールすると、スタッターが発生したり、フレームレートが低下するなど、ゲームパフォーマンスが悪化する場合があります。 この不具合は、主にマルチモニター環境でゲームをフルスクリーンやボーダーレスウィンドウで実行している場合に発生します。
| Microsoftは、本不具合をKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正すると述べており、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。 KIRが適用されたかどうか確認する方法は以下の記事をご覧ください。 | ||
[New] 2021年3月30日公開の20H2 / 2004用プレビューリリースKB5000842以降の更新プログラムをインストールすると、動画や音楽の再生時にノイズが乗る場合があります。この不具合は5.1 Dolby Digitalオーディオ環境で発生します。 (通常のステレオを使用する場合は発生しません)
| 以下の1つ以上を試してください。 回避策1: この不具合が発生するアプリではなく、Webブラウザやほかのアプリで再生を試す。 回避策2: タスクバーの通知領域のサウンドのアイコンを右クリックして、『立体音響 (Windows Sonic for Headphones)』(または『立体音響(オフ)』)を選択し、利用可能なオプション(『Windows Sonic for Headphones』や『Dolby Atomos for Headphones』、『Dolby Access』など)を有効にする。 Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のリリースで修正を予定しています。 |
不具合概要 | 回避策 | |
KB5001330またはKB5000842をインストールすると、PC再起動時にブルースクリーンエラー(BSoD)が発生して、PCが正常に起動しなくなる(BSoDがループする)場合があります。
| 一時的な回避策としては、システムの復元で復旧できます。 恒久的な対策としては、セーフモードのコマンドプロンプトから『chkdsk /f c:』または『sfc /scannow』を実行することで直るとの報告が出ています。 |
1909用プレビューリリース - KB5000850
KB5000850
KB5000850はWindows10 バージョン1909用のプレビューリリースと呼ばれるセキュリティアップデートを含まない累積更新プログラムです。
本更新プログラムをインストールすると、2021年3月10日に配信されたセキュリティアップデートKB5000808および3月16日に緊急リリースされたKB5001566で発生していた印刷に関する各種不具合(ブルースクリーンエラー(BSoD)が発生したりや正常に印刷されないなど)が修正されます。
印刷に関する不具合は3月19日に緊急リリースされたKB5001648で全て修正されていますが、KB5000850にも同じ修正が含まれています。もし、KB5001648を未適用で、印刷に関する不具合にお困りの場合は、KB5000850をインストールすることでも不具合は発生しなくなります。すでにKB5001648をインストール済みの場合は、わざわざKB5000850をインストールする必要はありません。(印刷の不具合に困っていない場合はどちらもインストールする必要はありません)
KB5001648 → 印刷の不具合のみを修正
KB5000850 → 印刷の不具合、および、その他複数の不具合を修正。ただし、冒頭にも書いていますように、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。
KB5000850には以下の既知の不具合があります。
不具合概要 | 回避策 | |
2020年9月16日(現地時間)以降の更新プログラムを適用したWindows10 バージョン1809以降の環境から、2020年10月13日(現地時間)以降の更新プログラムが統合されていないメディアやインストールソースを使用して後継バージョン(20H2、2004、1909、1903)へアップデートした際、システム証明書とユーザー証明書が消失します。 主に、Windows Server Update Services (WSUS)、Microsoft Endpoint Configuration Managerなどからアップデートした場合に発生します。また、最新の更新プログラムが統合されていない物理メディアやISOイメージからアップデートした場合にも発生する可能性があります。 通常のWindowsUpdate経由やWindows Update for Businessからアップデートした場合にはこの不具合は発生しません。
| Microsoftによると、この不具合が発生した場合は以前のバージョンにロールバックすることで解決できるとされていますが、すでにロールバック可能期間を過ぎている場合の解決策は案内されていません。 また、Microsoftは2020年12月11日付けでこの不具合情報を更新し、最新の機能更新プログラムのバンドルおよび更新されたメディアを使用することでこの不具合は発生しないとのことです。 | |
2021年3月26日時点では書かれていた以下の既知の不具合は削除されました。なぜ削除されたのか、Microsoftから理由は説明されていません。20H2 / 2004に同じ不具合があるため、Microsoftの書き間違いだったのかもしれません。
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[New] 2021年3月26日に公開・配信されたプレビューリリースKB5000850以降の更新プログラムをインストールしていると、スクロールバーが空白で表示されて正常に機能しなくなる場合があります。 | アプリケーションの開発者側がとれる対処方法は公開されていますが、ユーザー側がとれる回避策は案内されていません。 現状、この不具合にお困りの場合は、KB5000850以降の更新プログラムを片っ端からアンインストールするしか回避できません。 Microsoftは解決に取り組んでおり、今後のリリースで修正を予定しています。 |