KB5050411のインストールに失敗する不具合。0x80070643エラーにて。Windows10で発生。対処方法あり
一部のWindows10環境において、KB5050411のインストールに失敗する不具合が発生しています。
不具合概要
2025年1月15日にWindows10 22H2のWindows Updateに配信されたセキュリティ更新プログラムKB5050411のインストールに失敗する場合があります。
その際、Windows Updateには『状態: ダウンロードエラー - 0x80070643』と表示される場合があります。
対処方法・回避策
このエラーが発生してKB5050411のインストールに失敗した場合。もう1度、Windows Updateを手動で実行(更新プログラムのチェック)してみてください。2回目で成功するはずです。
筆者環境では2回目で成功しました。
そもそもKB5050411ってどういう更新プログラム?もし、インストールに失敗したら?
KB5050411は、2024年1月に配信されたKB5034441というWindows回復環境(WinRE)の脆弱性修正更新プログラムの最新版になります。
▼Windows回復環境の脆弱性修正更新プログラム(KB5034441系列)
- KB5050411 (2025年1月15日) [最新版]
- KB5048239 (2024年11月13日)
- KB5046400 (2024年10月9日)
- KB5042320 (2024年8月頃)
- KB5034441 (2024年1月10日)
この系列の更新プログラムは、リリースされるたびに一部環境で0x80070643エラーが発生しています。正直なところ「今回もか」と言ったところです。
KB5050411について簡潔にまとめますと、『Windows回復環境を悪用してBitLockerをバイパスし、暗号化したデータにアクセスできる脆弱性』を修正する更新プログラムです。ただし、攻撃者はターゲットのPCに物理的にアクセスする必要があるため、深刻度は高くありません。一般的なご家庭のPCであれば無視しても良いレベルの脆弱性です。(企業や組織のPCに関してはケースバイケース)
そのため、万が一、上記の対処方法が上手くいかずインストールに失敗したとしても、正直放っておいても良いと筆者は考えます。
なお、KB5050411は、以下のいずれかの条件に該当する場合には降ってきません。
- Windows回復環境のパーティションに十分な空き容量(250MB以上)がない場合
- Windows回復環境がすでに最新の状態になっている場合
- Windows回復環境のバージョンが10.0.19041.5363以上の場合。バージョンはレジストリ『HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion』にて確認できます
- Windows回復環境のパーティションがない場合
[shudoxx]
降ってこなかったけどKB5050411をインストールしたい場合
上記の通り、Windows回復環境があっても、そのパーティションに十分な空き容量(250MB以上)がない場合にはKB5050411は降ってきません。
どうしてもセキュリティが気になって、KB5040411をインストールしたい場合は、Windows回復環境のパーティションに十分な空き容量(250MB以上)を確保する必要があります。パーティションの空き容量を確保する方法として、Microsoftは以下の2つのいずれかを提示しています。
- スクリプトを使用してパーティションサイズを拡張する
- 『KB5028997: Instructions to manually resize your partition to install the WinRE update.』のページを参考にしてコマンドプロンプトで手動でパーティションサイズを変更する
注意事項として、パーティション操作は誤ると、最悪、PCが起動不能になるリスクがあります。繰り返しになりますが、この脆弱性の深刻度は高くありません。そこまでのリスクを犯す価値があるよくご検討ください。また、上記を見て、よくわからない場合は手を出さないことを強くおすすめいたします。