Windows10 20H2 / 2004から21H1へアップデートしても各種設定の初期化はなし。ただしWindowsUpdate経由に限る
これまで、Windows10は大型アップデートのたびにレジストリやサービス、タスクスケジューラなどの各種設定が初期化されてきました。では、2021年5月19日に公開されたWindows10 バージョン21H1 May 2021 Updateではどうでしょうか。
WindowsUpdate経由で20H2 / 2004から21H1へアップデートして、タスクスケジューラ、サービス、レジストリをざっと調べたところ、20H2 / 2004の設定が引き継がれていました。ただ1点、タスクスケジューラ『Application Experience』の『PcaPatchDbTask』は無効から有効にされていましたが、これは無効にしてても適宜勝手に有効にされたり、WindowsUpdateのタイミングなどで有効にされたりします。
そのほか、隅から隅まで全てを確認したわけではないので、もしかしたらほかにも初期化されているところがあるかもしれませんが、少なくとも自分の環境ではほかに初期化されている部分は見当たりませんでした。
なお、設定が引き継がれるのはあくまでも20H2 / 2004から21H1へアップデートした場合の話です。2004、20H2、21H1、これら3つのバージョンは共通の内部構造をしているため、同じ更新プログラムが使用できます。
しかし、更新プログラムが共通ではない1909は違います。1909から2004 / 20H2 / 21H1へアップデートした際は設定が初期化されます。1909からアップデートを行う際はお気をつけください。初期化されたら困る変更箇所は、元に戻せるよう必ずメモしておきましょう。
なお、20H2 / 2004から21H1へのアップデートでも、ISO / メディア作成ツール (Media Creation Tool / MCT) / Windows 10 更新アシスタント (Windows Update Assistant / WUA)経由でアップデートを行うと設定が初期化されます。自環境で以下の設定の初期化を確認しました。
- 変更したレジストリの値が初期化されている。メニューの表示速度を変更する『HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\MenuShowDelay』の設定を『0』にしていたのがデフォルトの『400』に戻されているのを確認。
- 追加したレジストリが削除されている。レジストリに追加したDWORD『NtfsDisableLfsUpgrade』が消されているのを確認。
- 削除や無効化したタスクスケジューラの中身が再び初期設定の有効になっている。『Application Experience』、『Autochk』、『Customer Experience Improvement Program』、『DiskDiagnostic』などの有効化を確認。
- 無効化したサービスが再び初期設定の有効になっている。『Workstation』、『Windows Search』などの有効化を確認。
備考: 『Windows 10 更新アシスタント』とは、Microsoftのページで『今すぐアップデート』をクリックすると落ちてくるアップデートプログラムです。 |
まとめると以下のようになります。
2004 / 20H2 → 21H1
1909 → 2004 / 20H2 / 21H1
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更新プログラムが共通で使用できるバージョンへのアップデートの場合、WindowsUpdate経由だと設定が引き継がれます。更新プログラムが共通で使用できないバージョンへのアップデートの場合は、WindowsUpdate経由でも設定が初期化されます。ISO / メディア作成ツール / Windows 10 更新アシスタント経由だとバージョン関係なく初期化されます。
今回、WindowsUpdate経由で2004 / 20H2から21H1へバージョンアップする際は設定が引き継がれますが、2021年秋予定の21H2(仮)ではどうなるかはわかりません。更新プログラムが共通でなくなったら、バージョンアップ時に設定が初期化されるでしょう。
繰り返しになりますが、初期化されたら困る変更箇所は、元に戻せるよう必ずメモしておきましょう。