ファイルの保存やコピーに失敗する不具合。Windows10およびWindows11にて発生 [Update 2]
Microsoftは、Windows10およびWindows11において、ファイルの保存やコピーに失敗する不具合が発生していることを発表しました。
更新履歴 [記事初公開日時: 2023/5/25 AM05:21] ① Windows10 22H2 / 21H2とWindows11 21H2が修正。記事下部に加筆。 [2023/5/25 AM11:18] ② すべてのOSで完全に修正されました。記事下部に加筆。 [2023/6/14 AM02:40] [New] |
不具合概要
Windows10およびWindows11環境において、ファイルの保存やファイルコピーの際にエラーが発生したり、断続的に失敗する場合があります。この不具合はLarge Address Aware (LAA)とCopyFile APIを使用する32bitアプリケーションで発生する恐れがあります。特にネットワーク経由でファイルの保存やコピーをした場合、この不具合の影響を顕著に受ける恐れがあります。
32bit版のMicrosoft WordやMicrosoft ExcelといったMicrosoft Officeアプリは、この不具合の影響を受けて保存に失敗する場合があります。その際、「Document not saved」(ドキュメントを保存できませんでした)というエラーが表示される場合があります。
また、拡張ファイル属性を使用する一部の商用・企業向けのセキュリティソフトウェアを使用する場合、この不具合の影響を受ける可能性が高くなります。
この不具合を内包するOSバージョンおよび更新プログラムは以下。
- Windows10 22H2 / 21H2
KB5023773 (2023年3月22日公開 プレビューリリース)以降 - Windows11 22H2
KB5017389 (2022年10月1日公開 プレビューリリース)以降
(上記はWindows11 22H2最初の更新プログラム。おそらく22H2初期の状態から本不具合が発生しているものと思われます) - Windows11 21H2
KB5023774 (2023年3月29日公開 プレビューリリース)以降
なお、ファイルエクスプローラーを使用したファイルコピーがこの不具合の影響を受けたという報告は今のところありません。
対処方法・回避策
この不具合が発生した場合、再度、保存またはコピーを試みてください。この不具合は断続的に発生するため、再試行することで2回目以降は成功する可能性があります。
Microsoftはこの不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。
Windows10 22H2 / 21H2とWindows11 21H2が修正
Windows10 22H2 / 21H2とWindows11 21H2は、Known Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されました。
一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。
企業や組織等で管理されているPCでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。
- Windows10 22H2 / 21H2用
KB5023773 230222_032013 Known Issue Rollback - Windows11 21H2用
KB5023774 230222_032017 Known Issue Rollback
詳細は『グループ ポリシーを使用して既知の問題ロールバックを展開する方法』(日本語ページは機械翻訳で意味不明な箇所あり。英語ページはこちら)をご覧ください。
なお、Windows11 22H2はまだ修正されていません。
すべてのOSで完全に修正 [2023/6/14] [New]
本不具合は、2023年6月14日に配信された以下の更新プログラムで修正されました。
- Windows10 22H2 / 21H2
KB5027215 (2023年6月14日公開 セキュリティ更新プログラム) - Windows11 22H2
KB5027231 (2023年6月14日公開 セキュリティ更新プログラム) - Windows11 21H2
KB5027223 (2023年6月14日公開 セキュリティ更新プログラム)
上記更新プログラム(およびこれ以降の更新プログラム)をインストールすることで、本不具合は発生しなくなります。