CPU-ZベンチマークはCPUの性能測定に適さないと報じられる。その理由とは
CPU-ZベンチマークはCPU性能を測定するのに適さないと報じられました。海外メディアのTom’s Hardwareが報じました。
CPU-ZはPCのハードウェア情報を表示するアプリだ。特にCPUの詳細情報に特化している。このアプリにはCPUベンチマーク機能も搭載されており、Cinebenchほど人気はないものの、レビューやAMDのマーケティングスライドなどでも使用されている。 PC系技術サイトChips and Cheeseによると、CPU-Zベンチマークはキャッシュや分岐予測を十分にテストしておらず、CPUを評価するのに適していないという。 CPU-Zベンチマークがテストするキャッシュサイズは32KB以下となっており、古いCPUであってもL1キャッシュ内に収まる。キャッシュにストレスを与えることができないため、キャッシュ性能の優れたCPUであってもスコアが高くなることはない。 分岐予測とは、次のタスクを推測するプロセスだ。正しい予測であればあるほど高速な処理を行えて、間違った予測だとその分、時間をロスすることになる。 Cinebenchやゲームと比較するとCPU-Zベンチマークは分岐が少なく、予測も容易だ。CPU-Zベンチマークでは悪名高いAMD Bulldozer CPUのFX-8150でさえ、分岐予測の成功率が95%にもなる。 2011年に発売された当時、大不評だったCPUにも関わらず、CPU-Zベンチマークでは高評価になる。 [Source: Tom’s Hardware] |
AMDが過去に公開したZen 3 vs. Zen 4のIPC向上率を示したスライドでは、CPU-Zベンチマークによる測定ではわずか1%の向上しかありませんでした。
AMDによるとZen 4のIPC向上率は13%とされており、CPU-Zベンチマークでの測定結果は大きくかけ離れたものであることをChips and Cheeseは指摘しています。
これらのことからChips and Cheeseは、CPU-Zベンチマークでの測定方法ではCPUの性能を測定するのに適していないと評しています。