ULTRARAMが『最も革新的なフラッシュメモリ賞』を受賞。DRAMとSSDのいいとこ取りをした不揮発性のユニバーサルメモリ
ULTRARAMが『最も革新的なフラッシュメモリ賞』を受賞しました。海外メディアのPC Gamerが報じました。
2023年8月8日から10日に米カリフォルニア州サンタクララで開催されたFlash Memory Summit 2023において、ULTRARAMが『最も革新的なフラッシュメモリ賞』(Most Innovative Flash Memory Award)を受賞した。 ULTRARAMは、アンチモン化ガリウム(GaSb)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)などの化合物半導体とトリプルバリア共鳴トンネリングを利用した不揮発性メモリだ。 SSDと同様に不揮発性でありながら、DRAM(システムメモリ)の読み書き速度に匹敵するという。さらに、データの保持期間は推定1,000年とされているほか、少なくとも1,000万回の書き込み耐性があるとされている。また、消費電力は、20nmのDRAMと比較して100倍、SSDと比較して1,000倍低いとされている。 ULTRARAMを開発しているQUINAS Technologyは、データセンターにおいてULTRARAMが重要な役割を果たすとしている。ULTRARAMを使用すればメモリ間でのデータ移動時に消費される電力を大幅に削減できる。 コンシューマー製品においても大きな影響を与える可能性がある。もし、ULTRARAMがコンシューマー製品で実用化されればスリープモードがなくなるだろう。電源が切れてもシステムの状態をULTRARAMに保存しておけるため、ULTRARAMの速度も相まってすぐに再起動できる。ノートPCや携帯型ゲームPC、その他、あらゆるモバイルデバイスにとっても革新的なものとなるはずだ。 このテクノロジーの開発はまだ現在進行形だ。製造コストがどれくらいかかるかはわからない。普及するかどうかは大衆市場にどれだけ食い込めるかにかかっている。 ULTRARAMは間違いなくエキサイティングなテクノロジーだ。すべてのデバイスに大きな影響を与える可能性がある。 [Source: PCGamer] |
ULTRARAMは、2020年にその研究論文が発表されて、現在に至るまで開発が続いています。実用化がいつになるかはわかりませんが、登場を楽しみに待ちたいところです。