Seagate、新品偽装HDDの調査を開始。新品と偽った中古品が世界各国で流通
Seagateの新品偽装HDDについて、若干の進展がありました。
前置き
Seagate製の新品HDD (ハードディスク)を購入したら、実はそれが中古HDDだったとドイツで多数報告されています。悪質なことにSMART情報(使用時間など)は初期化されていて、CrystalDiskInfoなどの一般ユーザー向けアプリでは中古品だとわからないような細工がされています。
しかし、SMART情報とは別の、FARM値(Field Accessible Reliability Metrics)には実際の使用時間が残っており、FARM値を見ることで実際にどれだけ使用されたか、中古か新品かを見分けることができます。(※見分け方は後述します)
そしてFARM値を確認した多くのドイツユーザーが、新品で買ったものが実は中古品だったと報告しています。
本件について、Seagateは「弊社は、これらのようなHDDを販売店に卸したり、流通させたりしていません」と、自社の関与を否定しています。
本件に関する詳細は以下の記事をご覧ください。
若干の進展、Seagateの対応
本件について、若干の進展が見られました。ドイツメディアのheise onlineは以下のように報じています。
Seagateの新品偽装HDDは詐欺に該当する可能性がある。現時点で、200人以上もの読者から、新品で買ったものが中古品だったというメールが私たちのもとに届いている。 この問題はドイツだけではなく、オーストラリアやタイなど、さまざまなフォーラムでも同様の被害報告が見られるようになった。本件についてはさまざまな(国の)メディアが報じており、例えば日本でも報じられている。 本件について、Seagateから新たな声明を受け取った。Seagateは以下のように述べている。
― heise online |
現在、Seagateは、本件に関する調査を行っているとのこと。一刻も早くこの問題が解決されることが望まれます。
新品か中古品かを見分けるFARM値の調べ方は、『smartmontools 7.4』をダウンロード・インストールして、コマンドプロンプト(管理者として実行)を開いて『smartctl -l farm /dev/sda』と実行してください。この文字列最後の『a』の部分は1番目のドライブを示しており、2番目のドライブだと『b』、3番目のドライブだと『c』といったように書き換えてください。実行後に表示される『Power on Hours』の項目が本当の使用時間です。(備考: このコマンドはSeagateドライブ専用です。他メーカー製では使用できません)
以下のスクリーンショットは、この被害に遭ったHDDの一例です。前者がCrystalDiskInfoのSMART値の使用時間、後者がFARM値の本当の使用時間です。
問題のHDD
CrystalDiskInfoでは102時間と表示されている
FARM値の『Power on Hours』は21481時間を示している
CrystalDiskInfoのSMART値の使用時間は102時間ですが、FARM値の使用時間は21481時間を示しています。
上記のように、SMART値の使用時間とFARM値の使用時間が大きく離れている場合は、新品ではなく中古品です。もし、お使いのHDDが上記のような状態を示した場合は、Seagateや購入店に報告するとともに、返品・交換されることをおすすめします。