次世代グラボ向け12VHPWRコネクタに安全上の懸念。PCI-SIGが警告。GeForce RTX 4000シリーズのハイエンドモデルやRTX 3090 Tiなどに影響か [Update 1]
最大600Wを供給できる次世代グラフィックスカード向け電源コネクタ、12VHPWRコネクタ(『16ピンコネクタ』や『12+4ピンコネクタ』とも呼ばれる)に安全上の懸念がある模様です。海外メディアのWCCF TECHが報じました。
更新履歴 ① WCCF TECHの検証の一部に誤りがあったため当該箇所を削除いたしました。 [2022/9/12] |
PCI-SIGは12VHPWRコネクタの潜在的なリスクについて警告している。以下がそのメール内容だ。
[Source: WCCF TECH] |
PCI-SIGによると、12VHPWRコネクタは「安全上の問題を引き起こす恐れのある温度のばらつきがある」とのことですが、具体的にどういうシチュエーションで起こりうる問題なのか、詳細はまだ明らかにされていません。
WCCF TECHの独自調査によると、8ピン x3 → 12VHPWR変換コネクタ使用時に、1つの8ピンコネクタだけに負荷が偏るそうです。例えば、450Wの消費電力を想定したとき、
8ピンAは76.92W(6.41A / 26.7度)、8ピンBは94.8W(7.9A / 30.2度)、8ピンCは282.4W(23.54A / 33.7度)となりました。
WCCF TECHは、こういった『8ピン → 12VHPWR変換コネクタ』使用時の挙動が、PCI-SIGの言う「特定の条件下で安全上の問題を引き起こす恐れのある温度のばらつき」の問題を指しているのではないかと指摘しています。
もちろん、これはあくまでもWCCF TECHの検証結果であって、PCI-SIGの言う問題点が上記に該当するものかは定かではありません。PCI-SIGからの詳細な発表が待たれます。
12VHPWRコネクタは、GeForce RTX 3090 Tiですでに採用されており、GeForce RTX 4000シリーズでも採用が見込まれています。PCI-SIGは「高負荷での使用には十分な注意を払うことをおすすめいたします」と述べているため、特に消費電力の高いハイエンド帯での影響が懸念されます。
2022/9/23追記
続報を書きました。詳細は以下の記事をご覧ください。
12VHPWRケーブルは特定条件下で溶ける。付け外し回数はわずか30回が上限。GeForce RTX 4000シリーズ購入予定者は注意