NVIDIA H100 80GBでゲームやベンチマークを実行するとどうなるの?ゲーム性能は高い?低い?
NVIDIA H100 PCIe 80GBのゲーム性能は高いのでしょうか、それとも低いのでしょうか。NVIDIA H100 PCIe 80GBでゲームやベンチマークを実行するとどうなるのか、という検証がYouTubeチャンネルの极客湾Geekerwanにより行われました。
まず最初に留意事項ですが、NVIDIA H100 PCIe 80GBはゲーム向けのカードではなく、AIやHPC、データセンター向けのカードです。そしてそのお値段は、2023年6月20日時点で約470万円(!)です。
主なスペックは、GeForce RTX 4090と比較すると以下のような具合。
H100 | RTX 4090 | |
GPU | GH100 | AD102 |
アーキテクチャ | Hopper | Ada Lovelace |
CUDA | 14592 | 16384 |
TMU | 456 | 512 |
ROP | 24 | 176 |
VRAM | 80GB HBM2e 5120bit | 24GB GDDR6X 384bit |
消費電力 | 350W | 450W |
NVIDIA H100のCUDA数は14592基と、GeForce RTX 4090の16384基に迫るCUDA数です。ゲーム向けではないものの、このモンスターカードでゲームやベンチマークを実行するとどうなるのでしょうか。
まずは3DMark Time Spyでのリザルトがこちら。NVIDIA H100に映像出力端子はありませんが、NVIDIA H100で処理させて、別のカードから映像を出力するという方法をとっています。
NVIDIA H100: Time Spy GPU使用率100% 17 fps前後
NVIDIA H100: Time Spy 2681ポイント
NVIDIA H100のTime SpyのGraphics scoreは2681ポイント。なんと、iGPUのRadeon 680Mの2710ポイントよりも低いスコアとなりました。また、GPU使用率が100%であるにも関わらず、17 fps前後と非常に低いフレームレートを示しています。
次にゲームでのフレームレートがこちら。
NVIDIA H100: RDR2 1080p 30 fps未満
Red Dead Redmption 2を1080p / DLSS Balancedでプレイしたところ、30 fps未満と、こちらも低いフレームレートなりました。
いったいなぜこんなにもパフォーマンスが低いのでしょうか。考えられる点はいくつかあります。まず、GPU使用率が99~100%にも関わらず消費電力は100W前後と、なぜか非常に低く抑えられています。NVIDIA H100の最大消費電力は350Wですが、その1/3程度しか発揮していません。また、ROP数が24と、ほかのカードに比べて少ないことを极客湾Geekerwanは指摘しています。このほかにも、ドライバがNVIDIA H100でのゲームプレイに最適化されていないことなども挙げられるでしょう。
具体的にどこが一番のボトルネックになっているのかまではわかりませんが、結論として、NVIDIA H100のゲーム性能は低い、という結果となりました。