GeForce RTX 5090のデスクトップ版とモバイル版の性能差はどれくらい?同じ5090でも全然違う結果に
デスクトップ版のGeForce RTX 5090グラボと、モバイル版のGeForce RTX 5090 Laptop GPUとではどれくらいの性能差があるのでしょうか。そのベンチマーク結果がこちら。
GeForce RTX 5090: デスクトップ版 vs. モバイル版
GeForce RTX 5090デスクトップ vs. モバイル
3DMark Fire Strike / Time Spy
GeForce RTX 5090デスクトップ vs. モバイル
バルダーズゲート3 / サイバーパンク2077
モバイル版GeForce RTX 5090 Laptop GPUの消費電力範囲は95~150W + Dynamic Boost 25Wとされており、消費電力はOEM / PCメーカー側の裁量で設定することができます。テストに使用された『ASUS ROG Strix SCAR 18 G835LX (G835LX-U9R5090)』ゲーミングノートPCは、150W + 25W = 175Wの最大値が設定されています。
最大消費電力のGeForce RTX 5090 Laptop GPUのベンチマーク結果は、3DMark Time Spy (2560 x 1440)において24599ポイント。一方で、デスクトップ版GeForce RTX 5090は108886ポイント。GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、デスクトップ版GeForce RTX 5090の約半分のスコアです。
Time Spyだけに限らず、Fire Strike、バルダーズゲート3、サイバーパンク2077でも同様の傾向が見られました。GeForce RTX 5090 Laptop GPU (最大消費電力175W)の性能は、デスクトップ版GeForce RTX 5090の半分程度と見て良いでしょう。
この結果をどう受け止めるか
この結果をどう受け止めるかは、見方や、購入する人が何を期待しているかによってかなり変わってきます。
ポジティブな部分
デスクトップ版GeForce RTX 5090の消費電力は575Wです。一方、GeForce RTX 5090 Laptop GPUは最大175Wで約1/3です。デスクトップ版GeForce RTX 5090の約1/3の消費電力でありながら、半分の性能を引き出せるというのは悪くありません。
ネガティブな部分
ネガティブな部分は、ずばりそのネーミングです。デスクトップ版GeForce RTX 5090もモバイル版GeForce RTX 5090 Laptop GPUも同じ『5090』を冠していますが、その性能や消費電力、スペックは完全に別ものです。参考までに、デスクトップ版GeForce RTX 5090は21760CUDAですが、GeForce RTX 5090 Laptop GPUは10496CUDAです。もうCUDA数からして全然違います。
デスクトップ版とモバイル版とでこのような差異があることは、今までのGeForce RTX 4000シリーズやGeForce RTX 3000シリーズ、これら以前からも踏襲しているため、知っている人は知っているでしょう。
しかし、知らない人からすれば、「なんでこんなに性能が低いの!?」と驚くかもしれません。デスクトップ版GeForce RTX 5090と同じ性能を期待して、同じ『5090』のゲーミングノートPCを買ったら、半分の性能しかでなかったらさぞガッカリするでしょう。『5090』だけに限らず『5080』や『5070 Ti』なども同様です。
筆者の個人的な意見で恐縮ですが、性能の乖離が大きいにもかかわらず、同じモデル番号を採用するのは正直なところあまり良いこととは思えません。PCに詳しい人であれば上記のような性能差もある程度予想できるでしょうが、そうでない人、例えばこれからPCゲームを始めようと思っている人が予想できるでしょうか。
NVIDIAには、どうにかこの辺のネーミングを上手く改善してもらいたいところです。例えば、モバイル版はデスクトップ版の性能に合わせたネーミング(モデル番号)にするとか。あるいは、GeForce RTX 5090 Laptop GPUのように同じモデル番号を冠するならデスクトップ版と比較してどれくらいの性能差があるか明記することをパートナーに義務付けるなど。方法は問いませんが、なんにしても消費者にその性能がどれくらいのものなのか、わかりやすい表記が望まれます。
まとめ
これらを総合してまとめると、「GeForce RTX 5090 Laptop GPUの性能・ワットパフォーマンス自体は悪くないものの、そのネーミングが消費者に誤解を生じさせるおそれがあるためなんとかしてほしい」といったところでしょうか。