MSI、AGESA PI 1.2.0.2 BIOSを公開。Ryzen 9000シリーズのCCD間レイテンシを改善
MSIは、AGESA PI 1.2.0.2を内包したソケットAM5 / AMD 600シリーズチップセットマザーボード向けBIOSを公開しました。
AGESA PI 1.2.0.2未満のCCD間レイテンシの不具合について
Ryzen 9000シリーズにおいて、AGESA PI 1.2.0.2未満のBIOS環境だと、CCD間のレイテンシ(遅延)が非常に高くなる(遅くなる)という不具合が発生しています。
例えば、前世代のRyzen 9 7950XのCCD間レイテンシは約76nsでした。しかし、Ryzen 9000シリーズではなぜかこのCCD間レイテンシが大幅に増加しており、Ryzen 9 9950Xの場合だと平均180nsと、倍以上遅くなりました。
Ryzen 9 9950X: Core to Coreレイテンシ
AGESA PI 1.2.0.2 (以降)のBIOSではこの不具合が修正されています。この不具合が修正されることで、Cinebench R23のマルチスコアが300~500ポイント向上したなど、パフォーマンスが向上したとユーザーから報告されています。
AGESA PI 1.2.0.2 BIOS
AGESA PI 1.2.0.2を内包したBIOSは、現在、ASUSの一部AM5マザーボード製品向けに公開されているほか、2024年9月20日付け(現地時間)でMSIからも公開されました。
公開が確認されているMSI製AM5マザーボードは以下。
- MPG B650I EDGE WIFI
- MAG B650 TOMAHAWK WIFI
- PRO B650-A WIFI
- PRO B650-P WIFI
- PRO A620M-E
- PRO B650M-B
- PRO B650M-E
現時点で確認が取れているのは上記マザーボードだけですが、今後、順次、ほかのAM5マザーボードにもAGESA PI 1.2.0.2 BIOSがリリースされていくでしょう。