中国国産、ゲーム向けグラボ『MTT S80』が発売!GeForce GTX 1650より低性能で2倍の値段!?
中国にて、中国国産のゲーム向けグラボ『MTT S80』が発売されました。
MTT S80は、2020年10月に設立された中国の企業、摩尔线程(Moore Threads)が製造するGPUを搭載したグラフィックスカード。スペックは、プロセスノード7nm、GPUコア(MUSA)4096基、VRAM 16GB GDDR6。
販売価格は『ASUS TUF GAMING B660M-PLUS D4』マザーボードとのセットで2,999中国人民元、日本円にして約59,000円。今のところセット販売のみで、グラボ単品での販売は行われていない模様です。『ASUS TUF GAMING B660M-PLUS D4』の日本での価格は最安で20,800円のため、単純計算をすると、グラボの単品価格は38,000円ほどとなります。
中国語圏のレビューサイトによると、MTT S80は以下のようなゲームパフォーマンスを有するとされています。
LoL: 1080p 149fps / 4K 128 fps
Crossfire: 1080p 182 fps / 4K 165 fps
ウル4: 1080p 104 fps / 4K 87 fps
FF14: 1080p 47.2 fps / 4K 43.1 fps
1080pおよび4K最高設定での平均フレームレートは、League of Legendsが1080pで149 fps、4Kで128 fps、Crossfireが1080pで182 fps、4Kで165 fps、ウルトラストリートファイターIVが1080pで104 fps、4Kで87fps。
FF14: 蒼天のイシュガルドベンチマークを実行したところ、1080pで47.2 fps、4Kで43.1 fpsでしたが、色や表示がおかしかったそうです。
ほかのグラボとの比較が気になりますが、レビューが公開されている3つのメディア(Expreview、ITHome(IT之家)、ZOL)、すべてでほかのグラボとのゲーム性能の比較がありません。おそらく、Moore Threadsにより比較が禁止されているのでしょう。そうでもないかぎり、すべてのメディアで比較がされていないなんてことはまずありえません。
ほかのグラボと比べられては困るということは、それだけ低性能であったり、費用対効果が釣り合わないことが見て取れます。
参考までに、測定シーンは異なるでしょうが、GeForce GTX 1650はLeague of Legendsの4Kで172 fpsほど出ます。
GeForce GTX 1650 - LoL: 4K 172fps
MTT S80の128 fpsよりも34%高いフレームレートとなっています。
GeForce GTX 1650の販売価格は19,000円程度です。一方、MTT S80の単品価格は約38,000円と、GeForce GTX 1650の2倍の価格です。
MTT S80は、GeForce GTX 1650よりも大幅に性能が低く、それでいて2倍の値段です。Moore Threadsとしては、そりゃほかのグラボと比較されたくないでしょう。
また、Expreviewによると、このグラボのアイドル時の消費電力は114Wにものぼり、非常に高いことが指摘されています。参考までに、GeForce RTX 3080 Founders Editionのアイドル時の消費電力は9Wです。
RTX 3080 - アイドル時はわずか9W [Source: TPU]
グラボに新たな選択肢が増えるのは歓迎したいところですが、現時点でMTT S80をチョイスする理由は何一つありません。(そもそも、日本では販売されていませんが)