Intel Core i9-10990XE ES版と称するスクリーンショットが話題に。TDP380W!?
中国語圏フォーラムのChiphellにIntel未発表CPUのスクリーンショットが投稿されたと、Guru3DやVideoCardzなどの海外メディア各所で話題になっています。それがこちら。
Intel Core i9-10990XE ES版と称するスクリーンショット
プロセッサーはCascade Lake-XのCore i9-10990XE ES版とされており、22C44T、ベースクロック4.0GHz、ターボクロック5.0GHz。そして、TDPは驚愕の380Wとのこと。ちょっと既存製品のCore i9-10980XEと比較してみましょう。
Core i9-10990XE | Core i9-10980XE | |
コア/スレッド | 22C44T | 18C36T |
ベースクロック (GHz) | 4.0 | 3.0 |
ターボクロック (GHz) | 5.0 | 4.8 |
TDP | 380W | 165W |
Core i9-10990XE ES版は、Core i9-10980XEよりもコア数が多くてベースクロックも高く、TDPは倍以上となっています。
このスクリーンショットを投稿したユーザーによると「真偽は不明」とのこと。ソース元がどこかなどは伝えられていません。Chiphellフォーラムの他のユーザーからは「私は信じません」「LGA2066で22コアでTDP380Wだって? 信じられないね」「同じく信じません」「フェイクでしょ」といった否定のコメントで溢れています。自分も信じられません。
HCCで22コアを確保することは物理的に不可能
Skylake-X / Cascade Lake-X系のダイは最大18コアベースのHigh Core Count (HCC)と、最大10コアベースのLow Core Count (LCC)の2種類が使用されています。
(※図はSkylake-SP(Xeon)のものですが、コアの割り振りはSkylake-X / Cascade Lake-X共通です)
上記の図を見ればわかると思いますが、HCCにはこれ以上、CPUコアの入る余地はありません。Xeonスケーラブルなどで使用されているExtreme Core Count (XCC)ダイを使用すれば最大28コアまで確保できますが、
HCCのダイサイズが約484mm²なのに対して、XCCでは約698mm²と一回り大きく、LGA2066のCPUの設計とは合致せず、ソケットもLGA3647が必要となってきます。
IntelがLGA2066でもXCCを使えるようになんとか上手いこと再設計していたり、LGA2066でも22コアを確保できるダイを新たに作っていたりする可能性も無きにしも非ずですが、今のところそんな話は聞いたことがありません。
Intel Core i9-10990XEは存在するのか
異常とも言えるTDP380Wはあまりにも現実感がなさ過ぎて胡散臭さを醸し出しています。HCCダイにこれ以上コアを増やせないことも加味すると、期待している人には残念ですが(いるのかどうかは疑問ですが)、このスクリーンショットはフェイクと見ておいた方が良いでしょう。