製品版Core i7-11700Kの各種ベンチマーク公開。Ryzen 7 5800Xに惨敗!?
海外メディアのANAND TECHにより、製品版Core i7-11700Kの各種ベンチマークが公開されました。
ANAND TECHによると、Rocket Lake-Sプロセッサーの発売日とレビューの解禁日は2021年3月30日に設定されていますが、今回、使用する個体はレビュー用にIntelから提供されたものではなく、フライング販売されたものを個人的に入手したため、NDAの影響を受けないとのこと。先日、ドイツでフライング販売されたものを入手した模様です。
それでは、サクッとパフォーマンスを見ていきましょう。
仕様とテストシステム
仕様 | Core i9-11900K | Core i7-11700K |
コア/スレッド | 8C16T | 8C16T |
アーキテクチャ | Cypress Cove | Cypress Cove |
ベース | ? | 3.6GHz |
1コアターボ | 5.3GHz | 5.0GHz |
全コアターボ | 4.8GHz | 4.6GHz |
メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 |
TDP | 125W | 125W |
テストシステム | CPU | マザーボード | コア/スレッド | メモリ |
Intel Rocket Lake-S | Core i7-11700K | - | 8C16T | DDR4-3200 |
Intel Comet Lake-S | Core i7-10700K | - | 8C16T | DDR4-2933 |
Intel Coffee Lake-S | Core i9-9900KS | MSI MPG Z390 Gaming Edge AC | 8C16T | DDR4-2666 |
AMD AM4 | Ryzen 7 5800X Ryzen 7 4750G | GIGABYTE X570I Aorus Pro | 8C16T | DDR4-3200 |
GPU | Sapphire RX 460 2GB (CPUテスト) GeForce RTX 2080 Ti FE (ゲームテスト) |
Rocket Lake-SとComet Lake-Sで使用したマザーボードはNDAのため伏せられています。ANAND TECHによると、「BIOSはRocket Lake-Sの発売前にパフォーマンスに関わるマイナーな調整が入る可能性があることに留意してほしい」とのこと。
Cinebench R20
エンコードベンチマーク
ゲームベンチマーク
1080p Avg fps | 11700K | 10700K | 9900KS | 5800X |
Deus Ex | 142.5 | 148.0 | 149.1 | 149.2 |
FF14 | 162.5 | 166.9 | 165.8 | 185.0 |
FF15 | 169.8 | 173.0 | 173.2 | 175.8 |
World of Tanks | 254.0 | 256.4 | 262.9 | 277.6 |
ボーダーランズ3 | 104.1 | 108.4 | 109.1 | 110.8 |
F1 2019 | 231.5 | 236.2 | 242.2 | 236.2 |
ファークライ5 | 146.5 | 140.3 | 147.3 | 147.3 |
Gears Tactics | 133.8 | 117.1 | 131.7 | 124.3 |
GTAV | 94.1 | 94.7 | 97.2 | 98.1 |
RDR2 | 93.4 | 93.9 | 94.6 | 93.8 |
Strange Brigade | 219.6 | 227.1 | 220.6 | 225.6 |
結果 | 1勝 | 1勝 | 3勝 | 7勝 |
まとめ
Rocket Lake-Sでは新アーキテクチャのCypress Coveが採用されており、19%のIPC向上が謳われています。Cinebench R20ではたしかにComet Lake-SやCoffee Lake-Sと比べてパフォーマンスの向上が見られます。しかし、ゲームベンチマークはどうでしょうか。Core i7-11700Kが1勝、Core i7-10700Kが1勝、Core i9-9900KSが3勝、Ryzen 7 5800Xが7勝と、Ryzen 7 5800Xに惨敗となりました。それどころか、Core i7-10700KやCore i9-9900KSよりも低いパフォーマンスが目立ちます。
正直なところ「このリザルト、本当? どこか設定ミスとかない?」というのが個人的な感想です。Core i7-11700K vs. Core i7-10700Kだと、Core i7-11700Kが2勝、Core i7-10700Kが9勝という結果です。もしこれが本当だとしたら、少なくともゲームにおいてはComet Lake-Sと比較して訴求できるものが何一つありません。そんなものを『ゲーム向け』として喧伝するでしょうか。
BIOS等どこかしらに最適化不足があるのか、ゲームタイトルによって向き不向きが激しいのか。あるいは本当にこれがRocket Lake-Sの力なのか。だとしたらガッカリ感が半端ないですが……。
何にしても、ANAND TECHのリザルトだけを参考にはせず、2021年3月30日に他メディアからも公開予定の、より多くのリザルトも待って判断した方が良さそうです。
あと、最上位のCore i9-11900Kではターボクロックが200~300MHz上がるため、これでどう変わってくるかも気になるところです。
2021/3/31追記
Core i9-11900Kの各種ベンチマークが公開されました。詳細は以下の記事をご覧ください。