Intel第13~14世代の不具合に対処した0x129マイクロコード、ゲーム性能などにどれくらい影響がある?

CPU

Intel CPU

Intel第13~14世代に0x129マイクロコードを適用すると、ゲーム性能やその他のパフォーマンスにはどの程度の影響があるのでしょうか。

前置き

Intel第13~14世代CPUを使用していると、CPUが劣化して動作が不安定になる不具合が発生しており、Intelはこの不具合に対処すべく0x129マイクロコードをリリースしました。(備考: マイクロコードはあくまでも劣化することを防ぐためのものであり、すでに劣化してしまったCPUは返品・交換する以外に直りません)

Intelによると、この0x129マイクロコードを適用した場合、パフォーマンスへは以下のような影響があるとされています。

パフォーマンスへの影響は誤差の範囲内(3DMark Time Spy、WebXPRT 4、Cinebench 2024、Blender 4.2.0など)でしたが、いくつかのテストでは中程度の影響が見られました(WebXPRT Online Homework、PugetBench GPU Effects Score)。

ゲームでのテストにおいても誤差の範囲内に収まっています(サイバーパンク2077、Shadow of the Tomb Raider、Total War: Warhammer III - Mirrors of Madnessなど)。しかし、1つだけ例外がありました。HITMAN 3 - Dartmoorではやや大きな影響が見られました。これらのパフォーマンスは、システムの構成やその他の要因に左右されることはご留意ください。

― Intel

Intelによるとパフォーマンスへの影響は概ね誤差の範囲内ではあるものの、一部のテストでは中程度の影響があるとのこと。

実際の影響はどれくらい?

上記はあくまでもIntelの言い分です。第三者による実際のテスト結果はどうでしょうか。海外メディアのPCMagによるCore i9-14900Kを使った検証結果がこちら。

▼テスト環境

  • マザーボード: Gigabyte Z790 Aorus Master
  • メモリ: 32GB DDR5-5600
  • CPUクーラー: 240mm簡易水冷
  • OS: Windows11
  • 0x129適用後: 最新のグラフィックドライバを使用
  • 0x129適用前: Core i9-14900K発売当時のベンチマーク結果。使用されているグラフィックドライバは発売当時のものです

Cinebench R23 / HandBrake

Cinebench R23 / HandBrake

Cinebench R23のテストでは、0x129マイクロコード適用前と比較して、適用後はシングルが3.2%、マルチが3.5%低下しました。HandBrakeのレンダリング速度も171秒から178秒になり、7秒遅くなりました。

ゲームベンチマーク

ゲームベンチマーク: 0x129 vs. ノーパッチ

ゲームベンチマーク: 0x129 vs. ノーパッチ

ゲームベンチマークにおいては、5タイトル中4タイトル『F1 22』『Total War: Three Kingdoms』『Bioshock: Infinite』『Tomb Raider』が、それぞれ1080pで3%、2.7%、1.4%、0.2%のフレームレートの低下が見られました。

一方、『Marvel’s Guardians of the Galaxy』だけは6.2%の向上が見られましたが、おそらくこれはグラフィックドライバ側の最適化による向上と考えられます。

まとめ

0x129マイクロコードを適用した場合、Intelによると誤差の範囲の影響、もしくは中程度の影響があるとされています。上記のパフォーマンス低下を誤差と受け止めるかどうかは人によるでしょうが、0x129マイクロコードを適用することで少なからずパフォーマンスの低下があることは間違いないようです。