HP、PCを壊すBIOSを配信してしまう。挙句、保証切れPCには修理代を請求
HP (ヒューレットパッカード)は、PCを壊すBIOSを配信しました。
2024年5月末頃にHP ProBook 455 G7ノートPC向け配信されたBIOSアップデート(バージョン1.17)をインストールすると、PCの画面が真っ黒になってWindowsやBIOSなどが起動しなくなり、いわゆる"文鎮化"するという不具合報告が多数出ています。
このBIOSは、HP Support AssistantまたはWindows Update経由で配信されたと報告されています。また、HP Webサイト上でも公開されていました。
ユーザーの調査によると、BIOSを保存できるチップの容量が16,777,216バイトなのに対して、バージョン1.17のBIOSファイル『firmware.bin』は17,757,104バイトと、チップの容量を上回っているためにBIOSが壊れたとのこと。
あるユーザーは、このBIOSアップデートが原因で壊れた保証期間切れのPCの修理をHPに依頼したところ、400ユーロの見積もりが返ってきたと報告しています。保証期間切れとはいえ、HP側の過失でPCを壊しておいて修理代を請求してくるそうです。このユーザーは「このようなことはプロ用マシンとして受け入れられない。HPのミスにお金を払う気はない。私はもうHPを信用できない」と述べており、HPに対する失望と怒りをあらわにしています。
2024年6月10日時点でHPは本件に関する正式な発表を行っていません。HPは早急に本件に関する発表を行い、被害に遭った人に対して無償修理を行うべきでしょう。
なお、BIOSバージョン1.17は、HPのWebサイト上からはすでに削除されており、HPがこの問題を認識していることは明らかです。