Gigabyte製GeForce RTX 5000シリーズに問題。縦置きだとサーマルゲル(熱伝導性ゲル)が垂れてくる [Update 1: Radeon RX 9070 XTやRX 9070も影響の恐れ]
Gigabyte製GeForce RTX 5000シリーズは、基板(PCB)とGPUクーラーとの間に通常のサーマルパッドではなく、サーマルゲル(Thermal conductive gel / 熱伝導性ゲル)と呼ばれるものが採用されています。しかし、これが問題になっています。
多くのPCユーザーはPCをケースを縦置きにして、グラボは横向き(水平)になっているでしょう。例えば、以下のように。
このような設置方法だと問題ありません。
しかし、以下のようにグラボを縦置き(垂直)に設置した場合に問題が発生します。
いったいどんな問題が発生するのかと申しますと、サーマルゲルが垂れ落ちてきます。
以下の写真をご覧ください。
サーマルゲルが垂れ落ちてきたGeForce RTX 5080
おわかりいただけたでしょうか。グラボを縦置きにして使用し続けていると、上記写真のように重力に沿ってサーマルゲルが垂れてきます。
上記は海外フォーラムのQUASARZONEで報告されました。報告者によると、Gigabyte製GeForce RTX 5080を購入してからわずか1か月で上記のような状態になったそうです。より長期間経てば、PCIeスロットにまで垂れてくる恐れがあります。Gigabyte製GeForce RTX 5000シリーズを縦置きで使用されている方はお気をつけください。
Gigabyteはこのサーマルゲルを、同社Webサイトで以下のようにアピールしています。
サーバーグレードの熱伝導性ゲル 製品の品質と信頼性を高めるため、VRAMやMOSFETのような重要な部品の冷却のためにサーバーグレードの熱伝導性ゲルを採用しました。この高度に変形可能で非流動性のゲルは、従来のサーマルパッドとは異なり、凹凸のある表面に最適な接触を行い、また、輸送や長期使用における変形防止にも有効です。 ― Gigabyte |
Gigabyteによると、このサーマルゲルはサーバーグレードのものとされています。しかし、縦置きにした場合には上記のように垂れ落ちてきます。
このサーマルゲルはGigabyteのAORUS、XTREME、MASTER、ELITE、AERO、EAGLEといったさまざまなモデルのGeForce RTX 5000シリーズで採用されています。筆者がGigabyteのWebページを見た限り、GeForce RTX 5090、RTX 5080、RTX 5070 Ti、RTX 5070、RTX 5060 Ti、RTX 5060の空冷GPUクーラーモデルすべてで採用されていました。
この問題について、Gigabyteからの公式アナウンスはまだありませんが、韓国のGigabyte正規代理店がQUASARZONEフォーラムで以下のように述べています。
▼Gigabyte GeForce RTX 5000シリーズにおけるサーマルゲルの問題について 皆様こんにちは、Gigabyte公式輸入代理店のJCH Systemsです。 弊社は、本フォーラムに投稿されたGigabyte GeForce RTX 5000シリーズのサーマルゲル問題を認識しており、現在、Gigabyte本社とこの問題の情報を共有し、今後の顧客サービス規定について議論を進めております。 この問題の関するメーカーの顧客サービス規定が確定次第、その規定に基づいて円滑に対応できるよう、また、多くのお客様がその内容を知ることができるよう、別途ご案内いたします。 ― JCH Systems |
JCH Systemsによると、現在、Gigabyteと協議中とのこと。どのような対応になるのか、続報が待たれます。
< Update 1: Radeon RX 9070 XTやRX 9070も影響の恐れ > [2025/4/24] [New]
GigabyteのRadeon RX 9070 XTやRadeon RX 9070のWebページを見たところ、これらの製品でもすべてサーマルゲルが使用されていました。
GeForce RTX 5000シリーズユーザーだけに限らず、Radeon RX 9000シリーズユーザーもグラボを縦置きされている方はお気をつけください。