Gigabyte、サーマルゲル(熱伝導性ゲル)が垂れる問題について公式発表。GeForce RTX 5000シリーズの初期ロットに影響
Gigabyteは、同社製グラボを縦置きにした際にサーマルゲル(熱伝導性ゲル)が垂れる問題について、公式にアナウンスを行いました。
事の発端
Gigabyte製のGeForce RTX 5000シリーズ(GeForce RTX 5090 / RTX 5080 / RTX 5070 Ti / RTX 5070 / RTX 5060 Ti / RTX 5060)およびRadeon RX 9000シリーズ(Radeon RX 9070 XT / RX 9070)には、基板とGPUクーラーとの間に、一般的なサーマルパッドではなく、サーマルゲル(Thermal conductive gel / 熱伝導性ゲル)と呼ばれるゲル状のものを採用しています。
グラボを縦置き(垂直設置)した際、わずか1か月でこのサーマルゲルが以下のように垂れて落ちてきたというユーザー報告が出ており問題になっています。
サーマルゲルが垂れ落ちてきたGeForce RTX 5080
1か月でこの垂れっぷりなので、より長期間経てば、PCIeスロットにまで落ちてくることが懸念されます。
本件の詳細について以下の記事をご覧ください。
Gigabyteの公式アナウンス
この問題について、Gigabyteは以下の発表を行いました。
▼Gigabyte GeForce RTX 5000シリーズおよびRadeon RX 9000シリーズの熱伝導性ゲルについて 当社(Gigabyte)は、GeForce RTX 5000シリーズおよびRadeon RX 9000シリーズに使用されている熱伝導性ゲルに関するお客様からのフィードバックを認識しています。このゲルは、凹凸のあるコンポーネントの表面に対して最適に接触するよう設計されており、従来のサーマルパッドと比較して人為的なばらつきを最小限に抑えるため、完全に自動化されたプロセスで塗布されています。 私たちはお客様の懸念を真摯に受け止め、本件に関して明確な情報を提供したいと考えております。以下の点について、明確にご説明させていただきます。 ▼徹底したテストと検証 熱伝導性ゲルの性能と安定性を検証するために以下のような厳格テストを行っております。(以下だけに限らずその他のテストも行っております)
▼品質保証プロセス すべてのグラフィックスカードは、出荷前に当社の品質基準に照らして検査・検証されています。 ▼ゲルの特性と挙動 熱伝導性ゲルは、絶縁性と柔軟性を備えたパテのような素材です。適切に塗布されていれば所定の位置に留まるように設計されており、少なくとも150℃まで、溶融したり液化することなく耐えることができます。 ▼初期生産時の塗布量のばらつき GeForce RTX 5000シリーズの初期生産ロットでは、十分な熱伝導性を確保するため、ゲルをやや多めに塗布していました。その結果、一部のグラフィックスカードではゲルが広がり、本来の範囲を超えてしまう可能性があります。ゲルの見た目が気になるかもしれませんが、この外見上の差異は、グラフィックスカードの性能、信頼性、寿命には影響しません。この問題はすでに調査済みで、その後の生産ロットではゲルを最適な量に調整しました。 ご不明な点やサポートが必要な場合は、お住まいの地域の当社カスタマーサポートまでお問い合わせください。この度はご不便をおかけしましたことをお詫び申し上げるとともに、今後もお客様とともに製品の改善に努めてまいります。 ― Gigabyte |
Gigabyteによると、初期ロットはサーマルゲルを多めに塗布したために、このような現象が発生しているとのこと。サーマルゲルが垂れ落ちたとしてもグラボの性能には影響しないとされています。
では、垂れ落ちてきたサーマルゲルはどうすればい良いのか、また、本影響を受けるロットに対してのリコールや、修理・交換といった対応についての言及はありません。
上記の写真ではPCIeスロット付近ギリギリにまでサーマルゲルが広がっており、気づくのが遅ければPCIeスロットへと接触していた可能性があります。縦置きで使用されている方はお気をつけください。