ついにGeForce RTX 5090の12V-2x6コネクタの焼損・融解報告が出る。ケーブルや電源も。原因はどこに

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焼損・融解したGeForce RTX 5090 FEの12V-2x6コネクタ

GeForce RTX 5090の補助電源コネクタこと12V-2x6コネクタ(16ピンコネクタ)が焼損・融解したとの報告が出てきました。

GeForce RTX 5090の12V-2x6コネクタが焼損・融解

焼損・融解の報告をしたのはRedditユーザーのivan6953氏。ivan6953氏が公開した写真がこちら。

焼損・融解したGeForce RTX 5090 FEの12V-2x6コネクタ焼損・融解した『ASUS ROG Loki 1000W』電源の12VHPWRコネクタ
焼損・融解したサードパーティ製16ピンケーブル焼損・融解したサードパーティ製16ピンケーブル

焼損・融解したGeForce RTX 5090 FEのコネクタとサードパーティ製16ピンケーブル
焼損・融解したGeForce RTX 5090 FEのコネクタと
サードパーティ製16ピンケーブル

GeForce RTX 5090 Founders Editionの12V-2x6コネクタ、16ピンケーブル、電源側の12VHPWRコネクタ、いずれも焼損・融解の跡が見られます。

ivan6953氏が使用している電源は『ASUS ROG LOKI SFX-L 1000W Platinum』で、コネクタは12V-2x6規格ではなく旧式の12VHPWR規格です。また、ivan6953氏は電源付属の純正の16ピンケーブル(12VHPWRケーブル / 12V-2x6ケーブル)ではなく、MODDIYというメーカーのサードパーティ製16ピンケーブルを使用しています。(ちょっとした余談ですが、12VHPWRケーブル = 12V-2x6ケーブルです。12V-2x6規格へと変更されたのはグラボ・電源のメスコネクタ側だけで、16ピンケーブル側(オスコネクタ側)に仕様変更はありません。そのため、16ピンケーブルは12VHPWRケーブルとも12V-2x6ケーブルとも呼ばれます。少々ややこしいですが、ケーブル側は呼び方が違ってもどちらも同じです)

ivan6953氏はこの環境で2年間、GeForce RTX 4090 Founders Editionを使用してきましたが特に問題は起こりませんでした。

しかし、同じ電源・16ピンケーブルでGeForce RTX 5090 Founders Editionを使用したところ、ゲーム中、グラボの消費電力が500~520Wくらいで焦げた臭いがしだして、PCの電源を落として確認してみると、上記写真のようにグラボと電源のコネクタ、16ピンケーブルが焼損・融解していました。また、ivan6953氏はグラボも電源も、カチッと音がするまでケーブルをしっかりと奥まで差し込んでいたと述べています。

この焼損・融解の原因がどこにあるのかは不明ですが、考えられる要因は色々あります。

  • サードパーティ製16ピンケーブルが低品質でGeForce RTX 4090の450Wまでは耐えられたものの、GeForce RTX 5090の500W以上には耐えられなかった(12VHPWRケーブル = 12V-2x6ケーブルで同じ仕様だとしても、メーカーごとの『品質』に関しては別問題)
  • ivan6953氏はきちんと差し込んだと述べているものの実は差し込まれていなかった
  • 電源側の12VHPWRコネクタに起因 (12VHPWR規格は半差しだとコネクタが焼損・融解します)
  • GeForce RTX 5090側の問題。消費電力575Wは厳しすぎた

などなど。筆者はサードパーティ製16ピンケーブルの品質が怪しいと睨んでいますが、実際のところどうなのかは定かではありません。

電源側のコネクタだけが焼損・融解した事例も。ただしこれは接触不良が原因

GeForce RTX 5090のテスト後に電源側の12VHPWRコネクタおよび16ピンケーブルが焼損・融解したという事例も報告されています。その写真がこちら。

電源側の12VHPWRコネクタおよびケーブル側が焼損・融解
電源側の12VHPWRコネクタおよびケーブル側が焼損・融解

この事例を報告したのはYouTubeチャンネルのToro Tocho Reviews。こちらに関しては原因が判明しています。電源側の接触不良が原因です。

Toro Tocho Reviewsはいわゆるテック系ユーチューバーで、長期間(少なくとも1年)、同じ電源を使用してさまざまなテストを行っており、電源側の12VHPWRコネクタに磨耗が見られました。結果、電源側の12VHPWRコネクタと16ピンケーブルの接触不良により焼損・融解が発生したとのことです。

ケーブルをとっかえひっかえするようなレビュアーならともかく、一般ユーザーであればこのような現象に遭遇する確率は低いでしょうが、一応は注意したいところです。

ユーザー側でできる対策

ユーザー側でできることは、コネクタやケーブルに磨耗がないか確認し、ケーブルをしっかりと奥まで差し込み、万が一、焼損・融解が発生しても保証が無効にならないようにするために純正品を使用することです。サードパーティ製の変換アダプタやケーブルを使用してグラボが破損した場合、保証が無効になる恐れがあります。

実際、MSIは過去に、CableMod製の変換アダプタを使用して壊れたグラボは保証が無効になると明言し、RMAを拒否しました。

不幸中の幸いにもCableModは自社の非を認め、変換アダプタのリコールを行い、壊れたグラボの修理代はCableMod側が負担しました。しかし、すべての企業がCableModのような対応をしてくれるとは限りません。アイネックスなんかは自社の変換コネクタのせいでグラボが壊れても補償しないと明言しています。

そのため、万が一が起こっても保証を受けられるように、16ピンケーブルは、グラボ付属の変換ケーブルや、電源付属ケーブルといった純正品を使用することが推奨されます。