『Bing Wallpaper』が悪質すぎる。マルウェアのような挙動。Microsoft公式のWindows用壁紙アプリ
『Bing Wallpaper』というMicrosoft公式のWindows用壁紙アプリ・壁紙チェンジャーがあまりにも悪質だったためご紹介いたします。
『Bing Wallpaper』をインストールするとどうなるの?
『Bing Wallpaper』とは、Microsoft Storeで公開されているMicrosoft公式のWindows用壁紙アプリ。Microsoftの説明によると、世界中の美しい画像が日替わりでデスクトップの壁紙として表示されるとのこと。
そんな『Bing Wallpaper』をMicrosoft Storeからインストール後に表示される最初の画面がこちらです。
おわかりいただけたでしょうか。なにも書かれていないウィンドウが開いて、選択肢のボタンが表示されています。何かよくわからないものを、『Yes』か『No』か、選択を迫っています。
ちなみに英語環境だと以下のように表示されます。
その内容は「Microsoft Bingをデフォルトのホームページと検索エンジンに設定しますか? この変更はMicrosoft Edge、Mozilla Firefox、Google Chromeに適用されます」と記されています。おいッ!?
ただの壁紙アプリがなぜかブラウザの設定をBingへと変えてこようとしてきます。しかも日本語環境だとその説明文すら表示されません。なんだこれ……。
「何も書いてないけどどうせ利用規約か何かだろう」と思ってうっかり青色(Yes)を押したらえらい目に遭います。ちなみに押したらどうなるかと言いますと、
(筆者環境では)Firefoxが開いて、『Microsoft Bing Search エンジン』という拡張機能を追加する画面が表示されます。いったいなぜ拡張機能のインストール画面が……。『Firefox に追加』を押すと、『Microsoft Bing Search エンジン』拡張機能がインストールされます。
そしてFirefox起動時のホームページとアドレスバーの検索エンジンがBingになります。どうやらBingをデフォルトにするにはこの拡張機能が必須なようです。説明不足すぎでしょう……。
お次はChromeです。Chromeを起動すると、「『Microsoft Bing ホームページ & 検索エンジン』が追加されました」と表示されます。こちらはもう問答無用で最初から追加されています。『拡張機能を有効にする』を選択すると、もちろん、Chromeでもホームページと検索エンジンがBingになります。
このほかにも、海外勢の報告によると、ある程度時間が経つとChrome (デフォルトのブラウザ)起動時に以下のようなタブが勝手に開くそうです。
タブには「Microsoft Bing Search拡張機能はすでにインストール済みです。Chromeを使用しながらBing AIにフルアクセスするには、以下のステップを完了してください」と書かれています。なんかもうやりたい放題です。
『Bing Wallpaper』の『設定』にもうさんくさい項目が
『Bing Wallpaper』の『設定』 → 『通知』に『Recommendations』(推奨事項)といううさんくさい項目があります。
これがどういった機能をするのか確認はできていませんが、どうせ『推奨事項』と称して何らかの方法でBingを勧めてくるに違いありません。あるいは、これのせいで上記のようなタブが勝手に開いているのかもしれません。
ブラウザを元に戻すにはどうすればいいの?
ChromeやFirefoxを元のホームページ・検索エンジンに戻すには、インストールされた拡張機能を削除(または無効に)してください。(念のため『Bing Wallpaper』本体もアンインストールしておいた方が安心でしょう) 拡張機能を削除すると、Chromeは完全に元に戻ります。しかし、Firefoxは完全には元に戻らず、ホームページはBingのままです。Firefoxは手動で元のホームページに戻す必要があります。
MicrosoftはどうしてもユーザーにBingを使わせたいようです。もし、「壁紙アプリを使いたい! Microsoftが無料で公開してる! Microsoft純正アプリなら安心だ!」そんな気持ちで『Bing Wallpaper』を使ったらえらい目に遭うかもしれません。これ、挙動が完全にマルウェアやアドウェアの類です。