ASRock、Ryzen 7 9800X3Dの焼損に関する調査状況を発表。マザーボード側に異常は無し。では原因は

CPU

Ryzen 7 9800X3Dの焼損事例

ASRockは、同社製マザーボードで発生したRyzen 7 9800X3Dの焼損に関する調査状況を発表しました。

▼AMDプラットフォームにおける起動不能およびCPU損傷問題に関する最新情報

当社(ASRock)は、特定のBIOSバージョンにおいて、一部のAMD CPUが起動できないケースやASRock製マザーボードでCPUの損傷事例が報告されているのを認識しています。当社はこれらの事例を真摯に受け止めており、影響を受けた多くのユーザーと連絡を取り、情報を収集しています。また、一部のマザーボードを回収し、徹底的な検査を行っています。

1.)
CPUの焼損が確認されたマザーボードを回収し、検査したところ、VRM周辺に明らかな損傷や焦げ跡はありませんでした。マザーボードの各測定値も仕様の範囲内でした。CPUソケットを清掃後、追加で修理を行う必要なく、元々のBIOSバージョンで正常に起動しました。また、長時間のストレステストもクリアしました。

2.)
一部のBIOSバージョンによっては、一部のRyzen 9000シリーズCPU搭載システムで、起動しないケースが確認されています。BIOS 3.20ではメモリの互換性を改善しており、この不具合を修正しています。BIOS 3.20はCPUの損傷問題とは関係ありません。以前のBIOSバージョンも含め、すべてのBIOSバージョンはCPUを損傷させる要因にはなりません。

もし、お客様の環境で何か問題が発生した場合は、当社Webサイトのサポートフォームからお問い合わせください。

左: 当初の状態 / 右: 清掃後
左: 当初の状態 / 右: 清掃後

AM5ソケット清掃後は問題なく起動
AM5ソケット清掃後は問題なく起動

ASRock

『1.)』についてですが、2025年2月にASRock X870E Nova WiFi環境で報告があったRyzen 7 9800X3Dの焼損報告に関してです。ASRockによると、マザーボード側には目立った問題は確認されず、ソケットを綺麗にするだけでマザーボードは正常に動作するようになったとのこと。

また、先日問題になった、Ryzen 7 9800X3D環境で起動しなくなる不具合と、この不具合を修正したBIOS 3.20、そしてすべてのBIOSバージョンは、焼損問題とは無関係とのことです。

では、なぜCPUが焼損したのか、どこに問題があったのか(例えば、CPUの初期不良やユーザーエラーなど)、焼損の原因については言及されていません。その辺の情報もあれば(判明していれば)公開してもらえるとユーザーはより安心できるでしょう。

(余談ですが、MSI製マザーボードでもRyzen 7 9800X3Dの焼損報告が出ており、MSIおよびYouTubeチャンネルのGamers Nexusが調査したところ、こちらは「ユーザー側のCPU取り付けが不適切だったために引き起こされたのではないか」と結論付けています)

Zen5

Posted by にっち