Ryzen 9 7950Xは空冷で運用できるのか。CPUクーラーごとの動作クロック・パフォーマンス
Ryzen 7000シリーズ最上位CPUとなるRyzen 9 7950Xは空冷CPUクーラーでも運用できるのでしょうか。海外メディアのTechPowerUpが検証を行いました。
予備知識
予備知識として、Ryzen 7000シリーズはCPU温度が95度以下であれば、高負荷な処理時など、必要に応じて積極的に動作クロックを上げます。上限は95度とされており、最大95度での動作が仕様となっています。95度に達すると、その温度を超えないようにクロックが低下します。つまり、しっかりと冷却できるほどに、高クロックでの動作が可能となります。
95度という温度は中々に不安になりますが、AMDによると、95度でも24時間365日、損傷や劣化のリスクなく動作するとされています。もし、95度というデフォルト設定に不安がある場合は、上限温度を下げることもできます。ただ、その場合はもちろん動作クロックも下がります。
動作テスト
TechPowerUpは、以下のCPUクーラーを使用して95度のデフォルト設定での動作を検証しました。
- 420mm簡易水冷 - Arctic Liquid Freezer II 420
- ハイエンド空冷CPUクーラー - Noctua NH-U14S
- ローエンド空冷CPUクーラー - AMD Wraith Spire
420mmハイエンド簡易水冷、ハイエンド空冷CPUクーラー、ローエンド空冷CPUクーラー、これらを使用した際の動作クロックがこちら。
32スレッドをフルロードでぶん回すと、簡易水冷のLiquid Freezer II 420は平均5240MHzとなりました。一方、空冷のNH-U14Sは、ファン速度100%で5171MHz、80%で5157MHz、60%で5147MHzと、60%でも100MHzほどしか差がありません。
Wraith Spireはさすがにクロックが結構下がりますが、仕様で定められた95度という上限は超えず、問題なく動作したそうです。
各CPUクーラーごとのパフォーマンスの違いは以下。まずはLiquid Freezer II 420 vs. NH-U14S。
Liquid Freezer II 420もNH-U14Sも、実性能において大きな差はありません。静音志向の方は、ファン回転数を落として運用しても十分なパフォーマンスを得られるでしょう。
お次は、Liquid Freezer II 420 vs. Wraith Spire。
さすがにWraith Spireともなってくると、ファン回転数が低いとBlenderやCinebenchなどでは20%以上パフォーマンスが低下します。それでもファン回転数を100%にすると、最大でも10%前後のパフォーマンスの低下で済んでいます。
結論
Ryzen 9 7950Xだけに限らずRyzen 9 7900Xなど、すべてのRyzen 7000シリーズは空冷CPUクーラーで運用可能です。ただし、高パフォーマンスを得るためには、冷却力の高いCPUクーラーを選択することが望まれます。