Ryzen 9 9950Xの各種ベンチマーク公開。16C32Tながら低温・低消費電力の新たなフラッグシップCPU
海外メディアのTechPowerUpにより、AMD Ryzen 9 9950Xの各種ベンチマークが公開されました。そのリザルトがこちら。
仕様
| Processor | Cores/ Threads | Base Clock (GHz) | Turbo Clock (GHz) | TDP (W) | 価格 USD/ 日本円(税込) |
| Ryzen 9 9950X | 16C32T | 4.3 | 5.7 | 170 | 649 119,800円 |
| Ryzen 9 9900X | 12C24T | 4.4 | 5.6 | 120 | 499 88,800円 |
| Ryzen 7 9700X | 8C16T | 3.8 | 5.5 | 65 | 359 70,800円 |
| Ryzen 5 9600X | 6C12T | 3.9 | 5.4 | 65 | 279 54,800円 |
テスト環境
▼AMD Ryzen 9000シリーズ環境
メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6000 36-36-36-76
マザーボード: ASUS X670E Crosshair Hero (BIOS 2201)
グラボ: PNY GeForce RTX 4090 XLR8
※AMD PPM Provisioning File Driverによるコアパーキング最適化を適用済み
▼Intel第13～14世代Core 13000 / 14000シリーズ(Raptor Lake / Raptor Lake Refresh)環境
メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6000 36-36-36-76 2T / Gear 2
マザーボード: ASUS Z790 Maximus Hero (BIOS 0813 / Intel Default Settings)
Cinebench 2024
グラフの緑色がデフォルト設定になります。グラフすべてに共通します。
Cinebench R2024 - シングル138
Cinebench R2024 - マルチ2305
Ryzen 9 9950XのCinebnech R2024スコアは、シングルが138ポイント、マルチが2305ポイント。Ryzen 9 7950Xからシングルが11.3％、マルチが7.6％の向上を見せています。
レンダリングパフォーマンス
Blender - 56秒
Blender使用時の温度・消費電力
CPUクーラーはNoctuaのNH-D15 (空冷)を使用。
Blender使用時 - 59.1℃
Blender使用時 - 220W
Ryzen 9 9950Xは16C32T CPUでありながら動作温度が非常に低く、Blender実行時の高負荷状態においても74.8℃に留まっています。一方、前世代のRyzen 9 7950Xは92℃と、17.2℃もの温度差があります。
また、消費電力に関してもRyzen 9 9950Xは220Wのところ、Ryzen 9 7950Xは260Wと、40W低くなっています。
14タイトル ゲームベンチマーク 1080p (GPU: GeForce RTX 4090)
Alan Wake 2: 157.7 fps
バルダーズ・ゲート3: 117.0 fps
Counter-Strike 2: 557.8 fps
サイバーパンク2077: 186.7 fps
Elden Ring (エルデンリング): 155.1 fps
Hogwarts Legacy: 278.1 fps
Remnant II: 122.0 fps
Spider-Man Remastered: 175.8 fps
Starfield: 139.5 fps
The Last of Us: 162.9 fps
Alan Wake 2 (RT): 114.8 fps
サイバーパンク2077 (RT): 123.2 fps
Elden Ring (RT): 94.7 fps
Spider-Man Remastered (RT): 135.2 fps
14タイトルゲームベンチマーク平均fps
14タイトルゲームベンチマーク平均fps
まとめ
Ryzen 9 9950Xは前世代のRyzen 9 7950Xから、Cinebench比で7.6％マルチ性能が向上しています。Blenderの処理時間も10％速くなっています。一方、14タイトルゲームベンチマーク平均fpsはわずか1.6％の向上に留まっているほか、Ryzen 7000X3Dシリーズよりも低いゲーム性能となっています。
AMDは以前からRyzen 9000シリーズとRyzen 7000X3Dシリーズとでは、後者の方がゲーム性能が高いと述べており、その発言に間違いはなく、ベンチマーク結果には3D V-Cacheの強さが如実に表れました。現状、ゲームを最重要視する人であれば、Ryzen 9 9950Xを購入する理由は見つかりません。Ryzen 7000X3Dシリーズを買うか、Ryzen 9000X3Dシリーズの登場を待つべきでしょう。
しかし、ゲームをそこまで重要視しないのであれば話は変わってきます。Ryzen 9 9950Xは前世代よりも高いCPU性能を有しながら、温度も消費電力も低くなっています。
▼Blender仕様時の温度・消費電力
- Ryzen 9 9950X: 74.8℃ / 220W
- Ryzen 9 7950X: 92.0℃ / 260W
上記は空冷CPUクーラーのNoctua NH-D15での温度です。16C32TのハイエンドCPUでありながら温度が低く、非常に扱いやすいCPUとなっています。
ハイエンドCPUの購入を考えている人にとってRyzen 9 9950Xは、新たな選択肢の一つとなってくれるでしょう。
Ryzen 9 9950Xの国内価格は税込119,800円。日本では2024年8月23日(金)AM11時に発売が予定されています。