TDP105WモードBIOS、そう遠くないうちに正式公開か。Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600Xのパフォーマンスが向上
AM5マザーボードに、Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600XのTDPを105Wにするモードが近々追加される模様です。
X (旧Twitter)ユーザーのkuroberu氏は以下のように述べています。
MSIから新しいBIOSを受け取りました。新しいBIOSにはRyzen 7 9700X / Ryzen 5 9600XのTDPを65Wから105Wへと増加させる『TDP to 105W』オプションが追加されました。 このオプションを有効にすることで、Ryzen 7 9700XにおいてCinebench R23のマルチスコアは以下のように伸びました。 65W: 20,409ポイント 105Wモードは13％スコアが向上しました。 |
『TDP to 105W』オプションが追加
本来、Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600XのTDPは65Wですが、『TDP to 105W』を有効(Enabled)にすることでTDP105Wで動作するようになります。結果、kuroberu氏によると、Ryzen 7 9700XにおいてCinebench R23比で13％のパフォーマンス向上が得られるとのことです。
なお、TDPが上がるということは当然CPUの温度・消費電力も上がります。参考までにTDP65WのRyzen 7 9700XとTDP105WのRyzen 7 7700XのBlender実行時の温度・消費電力が以下。
▼Blender実行時の温度・消費電力 (Noctua NH-D15空冷CPUクーラーを使用)
- Ryzen 7 9700X (65W): 59.1℃ / 80W
- Ryzen 7 7700X (105W): 89.3℃ / 135W
TDP65W時のRyzen 7 9700Xは温度も消費電力も非常に低いですが、これが105Wになると、Ryzen 7 7700Xと同様の温度・消費電力になるでしょう。
温度・消費電力を重視したい方は、TDPは65Wのままで使用し、パフォーマンスが欲しい方は『TDP to 105W』を有効にすると良いでしょう。
『TDP to 105W』を搭載したBIOSアップデートがいつの正式公開になるかはまだ定かではありませんが、そう遠くないうちにリリースされることが期待されます。
2024/8/31追記
早々に公開されました。詳細は以下の記事をご覧ください。
MSI、AGESA PI 1.2.0.1 BIOSアップデートをリリース。『TDP to 105W』オプションを搭載。Ryzen 7 9700X / Ryzen 5 9600Xが性能向上