【SSD】 ドスパラSSD『Z1』シリーズのMicron偽装問題まとめ。製造元の言い訳があまりにも酷すぎる件
ドスパラオリジナルブランドのSSD『Z1』シリーズが、Micronを偽装したチップではないかと話題になっています。まず、ドスパラのツイートをご覧ください。
(Source:@dospara_parts)
NANDチップにはしっかりとMicronの刻印があります。しかし、このチップにはコーティングが施されていました。コーティングを剥がした方のツイートがこちら。是非とも画像を1枚ずつご覧ください。
— PC修理廃人 (@pana_junk_pc) 2018年8月3日
げっ、、、
ドスパラのZ1 120GB SSDのNANDリマークっぽいな、、、Bad Block 40もヤバすぎる、、、
死んだMacBookのSSDから剥がしたNANDよりも多い、、、どうやってこのチップでエラー出さないで動くようにしてるんだろ、、、
何か塗ってあるっぽいから削ってみるか、、、 pic.twitter.com/TO8x7VGb14
— PC修理廃人 (@pana_junk_pc) 2018年8月3日
ドスパラ Z1 120GB SSDのNANDマジでやばいwww
炙りながらステンシルプローブで突いたら皮みたいなのがどんどん剥けてるwww
どんなチップが出てくるんだろ、、、 pic.twitter.com/DVnhsjiDv3
— PC修理廃人 (@pana_junk_pc) 2018年8月3日
ドスパラ Z1 120GB SSD
削り終わったらSpectekのSG級ゴミNAND出てきたぞwwwSpectekからMicronへのリマークなんてあるのかよwww
ドスパラでMicronチップみたいなこと言ってたけど嘘ですねw
てか勝手にロゴ印刷されてるって商標権侵害だし普通に詐欺では、、、? pic.twitter.com/ccwwPnsiuq
— PC修理廃人 (@pana_junk_pc) 2018年8月3日
ドスパラ Z1 120GB SSD、チップ削って本来の姿に戻しましたw
典型的な中華SSDにw
しかしナイロンかゴムみたいなのでコートしてリマークしてるの初めて見た、、、
ヒートガンで炙ったから剥がせたけど普通に削ったら伸びて何も見えないもんな、、、
大陸の人もよく考えるな、、、 pic.twitter.com/Bwy34v3uud
— PC修理廃人 (@pana_junk_pc) 2018年8月3日
なんと、コーティングを剥がしてでてきたのはSpecTekのNANDチップでした。
このNANDチップには
PFG72
SG
1822
と刻印されています。これらのコードについてはSpecTekのサイトにて解説されています。
[ URL:https://www.spectek.com/menus/mark_code.aspx ]
PFG72 ←Mark Code
SG ←Grade
1822 ←Date Code
そして上記ページで『PFG72』で検索すると、
『PFG72』(Mark Code) = 『FBNB16A512G0KDEANJ4』(Part Number)と表示されます。次に、表示されたPart Number『FBNB16A512G0KDEANJ4』とグレードを示す『SG』を入れて『FBNB16A512G0KDEANJ4 SG』というキーワードで、
[ URL:https://www.spectek.com/menus/mpn_decoder.aspx?MpnCategory=NandComponent ]
上記SpecTekのページより検索をします。すると、
このNANDチップが間違いなくSpecTekのものであるということが証明されました。
『SG』というグレードについては、SpecTekがPDFで詳細を公開しており、
-AS = Full Spec for SSD (100%)
-AL = Full Spec for USB/SD and low end SSD (100%)
-AF = Full Spec for low end USB/SD (100%)
-AR = Relaxed Spec (see Functional Density)
-S5 = Partially tested, est yield of 50%
-S7 = Partially tested, est yield of 70%
-S8 = Partially tested, est yield of 80%
-S9 = Partially tested, est yield of 90%
-SG = Simple Test Passers/Extended Test Failures
(シンプルテストに合格 / 拡張テストに失敗)
-SS = SImple Test Failures
-ES = Engineering Sample
品質としては下位製品となります。
色々と情報が多いですが、ここからがとても重要なので以下の2点を覚えておいてください。
- これがSpecTekのNANDチップということ
- 『SG』は品質を表す刻印であるということ
この件について、ドスパラは下記の発表をしました。
(Source:ドスパラ)
製造元のRITEKを見るよう案内しています。では、RITEKの発表を見てみましょう。
(Source:RITEK)
【抜粋】
本製品は弊社生産工程において、micron製 NANDに、生産地域識別のために「SG」などの刻印をし、その上にメーカーロゴの刻印を実施後、SSDを生産し、出荷を行った製品です。 |
これを見たとき、驚きのあまり開いた口が塞がりませんでした。突っ込んでいきましょう。
micron製 NAND |
いいえ、これはSpecTekのNANDチップです。上記で証明されています。
本製品は弊社生産工程において、micron製 NANDに、生産地域識別のために「SG」などの刻印をし |
いいえ、『SG』という刻印はグレードを表すものです。上記で証明されています。RITEKが刻印した生産地域識別を表すものではありません。
ついでに予想されうるRITEKからの反論に対しても先に結論を書いておきます。
① もし、RITEKが 「『PFG72』『1822』は最初から刻印されていたが、『SG』だけ自社で刻印した」 と言った場合。
PFG72
1822
これらと同じフォントを用意して自社で刻印したのですか?? 仮に最初から『SG』の刻印だけがないNANDチップがあって、さらにわざわざ同じフォントで刻印したとしても、『PFG72』(Mark Code) = 『FBNB16A512G0KDEANJ4』(Part Number)で調べると、
グレードが表示されないだけで、PFG72がSpecTekのものであるということに変わりはありません。
② もし、RITEKが 「『PFG72』『SG』『1822』全てを自社で刻印した」 と言った場合。
それ、SpecTekを偽装したことになりますよ。
弊社生産工程において、micron製 NANDに、生産地域識別のために「SG」などの刻印をし、その上にメーカーロゴの刻印を実施後 |
Micronというコーティングを自ら行ったとの自供をありがとうございます。
なんでしょう。これ、もう、ロンです。完全に役満です。
ドスパラの発表に 「品質および性能に対しての問題はございません」 と書いていますが、論点を逸らさないでください。そこも気になるところですが、一番大きな問題はそこじゃないんです。このNANDチップは本当にMicronのチップですか?
今一度しっかりと調べて、問題ないと断言できる資料を添えて事の詳細を公表し、それから販売された方がユーザーのためにも、ドスパラのためにもなるかと思われます。
追記
以下のメッセージをいただきました。記事本文の補足を兼ねてご紹介&お答えしたいと思います。
ttp://www.spectek.com/menus/about.aspx As a wholly owned division of Micron Technology, SpecTek manufacturing occurs throughout the Micron family of manufacturing facilities that are located around the world All R&D, marketing, and management resides at the Micron headquarters in Boise, Idaho (USA), which supplies an unlimited resource base with daily access to the Micron technical and production management team. The sale of SpecTek products is through the Micron Regional Sales Office. Inquiries about product solutions can be addressed to our Product Development and Marketing Engineering team. |
SpecTekがMicronの子会社なのは知っています。だからといって 「SpecTekとして世に出ているチップに対して、第三者がMicronとコーティングしてMicronのチップとして売っちゃいけないでしょ。本当にこれはMicronのチップなのですか?」 というのがこの話の論点になります。
2019/4/4追記
続報を書きました。詳細は以下の記事をご覧くださいませ。