【CPU】 THREADRIPPER 2990WXの各種ベンチマーク公開

CPU

THREADRIPPER 2990WXのレビューが各所で一斉に公開されました。詳細は下記のレビューリンクへどうぞ!

<日本国内>
ASCII.jp
32コア64スレッドは乗りこなせるか? 第2世代「Ryzen Threadripper」を速攻で試す
PC Watch
32コアの怪物CPU「Ryzen Threadripper 2990WX」を検証。16コアの2950Xも侮れないコスパ

<海外>
PC Perspective
The AMD Ryzen Threadripper 2950X and 2990WX Review: Moving Forward
ANAND TECH
The AMD Threadripper 2990WX 32-Core and 2950X 16-Core Review
HEXUS
Review: AMD Ryzen Threadripper 2990WX
Guru3D
AMD Ryzen 7 AMD Ryzen Threadripper 2990WX review
Phoronix
AMD Threadripper 2990WX Linux Benchmarks: The 32-Core / 64-Thread Beast

ということで、各所のわかりやすいリザルトからサクッと各パフォーマンスを見ていきましょう。まずはCinebench R15から。

シングルはこれまでのTHREADRIPPER / RYZENシリーズ同様Intelに追いつけていませんが、マルチのスコアは5214cbと半端ないスコアになっています。ここはさすがの32C64Tです。

お次は各種アプリケーションでのベンチマーク。


(バーが短い方がスコアが良い)


(バーが短い方がスコアが良い)


(バーが長い方がスコアが良い)


(バーが短い方がスコアが良い)


(バーが短い方がスコアが良い)

Blender、Maya 2018、TMPGEncでの4本同時エンコードではぶっちぎりのパフォーマンスです。しかし、HandBrake、Adobe Premiere Pro CC 2018、TMPGEncでの1本のみのエンコードでは16C32Tの1950Xや2950Xより遅くなっています。

HandBrakeは32スレッドまでは対応しているそうですが、64スレッドには対応していないとか。1950Xや2950Xより遅いというのはアプリケーション側が上手く2990WXを扱えていないという印象を受けます。

この部分に関してはある意味仕方ないのかもしれません。こんなにも早く32C64Tが降りてくるなんて開発者側も想像もしていなかったのではないでしょうか。今後の対応具合に期待ですね。

お次はゲームパフォーマンス。

32C64Tだと話にならないくらいの低パフォーマンスになります。あまりのコアの多さにゲーム側がまったく対応できていない様子です。ゲームモード(8C16Tモード)だとRYZEN 7 2700Xに近いパフォーマンスに落ち着きます。

2018/9/12追記
2990WX環境にGeForce 399.24ドライバ以降を適用するとゲームパフォーマンスが大幅に改善することが判明しました。詳細は下記の記事をご覧くださいませ。

【CPU】 THREADRIPPER 2990WXのゲームパフォーマンスが大幅に改善

お次はVRM温度。


(Source:ASCII.jp)

 全コア稼働状態で、(VRMに)何のファンも追加しないと、あっという間にVRM温度が100℃を超える。最終的には115℃を記録したすぐ後に、PCそのものが落ちた。一度落ちるとメインパワーを切り、少し冷やすまで再起動すらできない状況になる。

 だがファンを追加することで、OCCTのCPU Linpackも十分長い時間持続するようになった。VRM温度は94℃とかなり高いが、VRM部にファンの風を当てるだけで、システム全体の安定性が担保される。

ASUS ROG ZENITH EXTREMEでの温度ですが、ヤバイです。少なくともASUS ROG ZENITH EXTREMEの素の状態では安定性を保てません。2990WXを使用する場合は、各マザーボードでのVRM温度がどうなるかをしっかりと調べて、高温になるようならファンの追加も検討する必要があるでしょう。

続いてCPU温度。アイドル時およびTMPGEncでの4本同時エンコード時の温度になります。


(Socket TR4専用水冷クーラー『ENERMAX ELC-LTTR240-TBP』使用。バラック状態)

2990WXには+27度のオフセットが加えられており、赤がオフセットを含んだ数値(Tctl)、緑がオフセットを引いた数値(Tdie)になります。Tctlが95度でサーマルスロットリングが発生するので、1,200rpmではかなりギリギリの数値です。ファンを2,300rpmまでぶん回せばそこそこ余裕はありますが、かなりの騒音が予想されます。

最後に消費電力。

Cinebench R15中の消費電力ですが、全CPU中で最大の消費電力です。32C64Tということを考えればこれは仕方ない感。

ザッと見てきた所感ですが、使用するアプリケーション次第で毒にも薬にもなるという、現時点では非常に癖の強いCPUです。

しかし、メニーコアを上手く使えるアプリケーションではぶっちぎりのパフォーマンスを得られます。また、今は遅いアプリケーションでも、今後の対応状況次第ではどうなるか想像もつかないポテンシャルを秘めています。

使用するアプリケーションの特性を見誤らず、CPUと上手く噛み合えば、2990WXマシンは非常に満足のいく一台になってくれるでしょう。

CPU,Threadripper

Posted by にっち