Intel Core Ultra 9 285Kの各種ベンチマーク公開。ゲーム性能低すぎ。Ryzen 5 9600Xにすら負ける
海外メディアのTechPowerUpにより、Intel Core Ultra 9 285Kの各種ベンチマークが公開されました。そのリザルトがこちら。
Intel Core Ultra 200Sシリーズ仕様
Processor | Cores/ Threads | iGPU | Base Clock (GHz) | Turbo Clock (GHz) | Max Memory Speed | TDP (W) | 価格/USD 国内価格/円 (税込) |
Core Ultra 9 285K | P:8/8 E:16/16 | ○ | P:3.7 E:3.2 | P:5.7 E:4.6 | DDR5-6400 | Base:125 Turbo:250 | 589 115,800 |
Core Ultra 7 265K | P:8/8 E:12/12 | ○ | P:3.9 E:3.3 | P:5.5 E:4.6 | DDR5-6400 | Base:125 Turbo:250 | 394 78,800 |
Core Ultra 7 265KF | P:8/8 E:12/12 | × | P:3.9 E:3.3 | P:5.5 E:4.6 | DDR5-6400 | Base:125 Turbo:250 | 379 75,800 |
Core Ultra 5 245K | P:6/6 E:14/14 | ○ | P:4.2 E:3.6 | P:5.2 E:4.6 | DDR5-6400 | Base:125 Turbo:159 | 309 59,800 |
Core Ultra 5 245KF | P:6/6 E:14/14 | × | P:4.2 E:3.6 | P:5.2 E:4.6 | DDR5-6400 | Base:125 Turbo:159 | 294 56,800 |
※P=P-Core (Performance Core)、E=E-Core (Efficient Core) |
テスト環境
▼全環境共通
使用OS: Windows11 Pro 23H2 (VBS有効、デフォルト設定)
▼Core Ultra 200Sシリーズ環境
メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6000 36-36-36-72 2T / Gear 2
マザーボード: ASUS Z890 Maximus Hero (BIOS 0805) / MSI Z890 Carbon (消費電力テスト用) (BIOS 1A2T)
グラボ: PNY GeForce RTX 4090 XLR8
▼AMD Ryzen 9000シリーズ環境
メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6000 36-36-36-76
マザーボード: ASUS X670E Crosshair Hero (BIOS 2201)
グラボ: PNY GeForce RTX 4090 XLR8
▼Intel第13~14世代Core 13000 / 14000シリーズ(Raptor Lake / Raptor Lake Refresh)環境
メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6000 36-36-36-76 2T / Gear 2
マザーボード: ASUS Z790 Maximus Hero (BIOS 1302 / Intel Default Settings)
Cinebench 2024
グラフの緑色がデフォルト設定になります。グラフすべてに共通します。
Core Ultra 200SシリーズデスクトップCPU (コードネーム:Arrow Lake)にはハイパースレッディング(Hyper-Threading Technology / HTT)が搭載されていません。
にもかかわらず、Core Ultra 9 285KのCinebench 2024マルチスコア2448ポイントと、16C32TのRyzen 9 9950X (マルチ2305)や24C32TのCore i9-14900KS (マルチ2257)を上回ります。
また、シングルも143ポイントと、こちらも、Ryzen 9 9950X / Core i9-14900Kを上回っています。
Cinebench 2024においては、非常に良好なスコアを見せています。
レンダリングパフォーマンス
Cinebench 2024で高スコアが示したように、レンダリングパフォーマンスも悪くありません。Core Ultra 9 285Kは54.9秒でBlenderのレンダリングを完了しており、Ryzen 9 9950X (56.0秒)やCore i9-14900K (66.9秒)とより高速な処理能力を示しています。
ただ、Ryzen 9 9950Xとはわずか1.1秒差と、かなりの僅差となっています。
Blender使用時の温度・消費電力
CPUクーラーはNoctuaのNH-D15 (空冷)を使用。
Blender実行中のCore Ultra 9 285Kの動作温度は88.2℃と、Core i9-14900K (87.5℃)とさほど変わりありません。一方、Ryzen 9 9950Xは74.8℃と、10度以上も低い温度となっています。
消費電力に関しては、Core Ultra 9 285K (235W)はCore i9-14900K (281W)よりも高い処理能力を有しながらも46Wも低くなっています。一方で、Ryzen 9 9950X (220W)よりは若干高めです。
ここまではGood、そう、ここまでは
Core Ultra 9 285Kは、高いパフォーマンスを有しながらも、前世代より消費電力が低くなっており、とてもGoodです。Ryzen 9 9950Xともいい感じに競合しています。そう、ここまでは。
それでは、PCゲーマーが一番気になるであろう、ゲームベンチマークをご覧ください。
14タイトル ゲームベンチマーク 1080p (GPU: GeForce RTX 4090)
Elden Ring (エルデンリング): 146.9 fps
Spider-Man Remastered: 204.3 fps
Spider-Man Remastered (RT): 161.8 fps
14タイトルゲームベンチマーク平均fps
Core Ultra 9 285Kの平均fpsは非常に低く、前世代のCore i9-14900Kはおろか、Ryzen 9000シリーズの下位モデルRyzen 5 9600Xよりも低いfpsを示しています。
ゲーム中の平均消費電力
Core Ultra 9 285Kのゲーム中の平均消費電力(CPUのみ)は94Wです。Core i9-14900K (149W)やRyzen 9 9950X (104W)よりも低い数値となっています。
ただ、その分、ゲーム性能が低いため、あまり魅力的とは言えません。ゲーム性能が低い分だけ、消費電力も低くなっているとしか捉えられません。
ちなみに、Core Ultra 9 285Kよりゲーム性能が高い、Ryzen 5 9600X (66W)の方が省電力です。
まとめ
ゲーム14タイトル中、Core Ultra 9 285Kが1位を取れたのは『Spider-Man Remastered (RT)』のたった1タイトルだけです。ほかは、すべて前世代のCore i9-14900Kやその他のCPUに負けています。
↑の14タイトルゲームベンチマークの平均fpsを見ていたければわかりますが、Core i9-14900Kはもちろん、Core i7-14700K、Ryzen 9 9950X、Ryzen 9 9900X、Ryzen 7 9700X、Ryzen 5 9600Xよりも低い平均fpsを示しています。どうしてこうなった。
また、TechPowerUpは、具体的なタイトル・製品名は挙げていないものの、一部のゲームやアプリケーションが上手く動作しないことを指摘しています。この辺、気になるところですが、現時点では詳細は不明です。問題のあるゲームやアプリに関しては今後、明らかになっていくでしょうか。
現状、Core Ultra 200Sシリーズは、ゲーム性能を最重要視した人にはおすすめできません。ゲーム性能を最重要視するなら、Ryzen 7 9800X3Dが発売されるのを待つことを強くおすすめします。
その一方で、クリエイティブな処理に関しては低消費電力で高性能を発揮できるため、選択肢としては悪くありません。