文字入力中にアプリがクラッシュする不具合。Windows11 23H2 / 22H2で発生 [Update 1: 24H2 / Server 2025でも発生]
Microsoftは、日本語を含む特定IME使用環境において、文字の入力中にアプリがクラッシュする不具合が発生していることを発表しました。
更新履歴 [記事初公開日: 2024/10/16] ① Windows11 24H2およびWindows Server 2025でも発生することが判明。また、KIRで修正が始まりました。全体的に記事を改訂。 [2024/11/13] [New] |
不具合概要 [2024/11/13] [New]
WPF (Windows Presentation Foundation)とは、.NET Framework 3.0以降に含まれるUI開発機能。
日本時間で2024年6月26日以降にリリースされたWindows11 24H2 / 23H2 / 22H2およびWindows Server 2025用更新プログラムをインストールすると、WPFを使用するアプリケーションにおいて、日本語を含む特定のIME (Input Method Editor)使用時に不具合が発生する恐れがあります。
具体的には、アプリケーションの文字入力欄に文字を入力中にアプリケーションが応答しなくなったり、予期せず終了(クラッシュ)したりする場合があります。文字をすばやく入力したり、追加の入力ダイアログボックスが表示された場合など、特定のタイミングにおいて、この不具合の発生確率が高くなります。そのため、この不具合は一貫して必ず発生するとは限りません。現状、文字をゆっくり入力することで発生する可能性が低くなります。
この不具合が発生するOSおよび不具合を内包する更新プログラムは以下。
- Windows11 23H2 / 22H2
KB5045594 (2024年10月23日公開 プレビューリリース)
KB5044285 (2024年10月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5043145 (2024年9月27日公開 プレビューリリース)
KB5043076 (2024年9月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5041587 (2024年8月28日公開 プレビューリリース)
KB5041585 (2024年8月14日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5040527 (2024年7月26日公開 プレビューリリース)
KB5040442 (2024年7月10日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5039302 (2024年6月26日公開 プレビューリリース) - Windows11 24H2 / Windows Server 2025
KB5044384 (2024年10月23日公開 プレビューリリース)
KB5044284 (2024年10月9日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5043178 (2024年10月1日公開 プレビューリリース)
KB5043080 (2024年9月11日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5041865 (2024年8月28日公開 プレビューリリース)
KB5041571 (2024年8月14日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5040529 (2024年7月31日公開 プレビューリリース)
KB5040435 (2024年7月10日公開 セキュリティ更新プログラム)
KB5039304 (2024年6月29日公開 プレビューリリース) (※2024年6月26日以降の更新プログラムが不具合の対象とされていますが、KIRのファイル名がKB5040435となっていることから、これも対象かどうかは怪しいです)
対処方法・回避策 [2024/11/13] [New]
この不具合はKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されます。
一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。一度PCを再起動すると、早く修正される場合があります。
企業や組織等で管理されているWindows11 24H2 / Windows Server 2025マシンでは、以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。
- Windows11 24H2 / Windows Server 2025
Windows 11 24H2 and Windows Server 2025 KB5040435 241022_20351 Known Issue Rollback
上記グループポリシーをインストールすると、ローカルグループポリシーエディター([Windows] + [R]キーを押して『ファイル名を指定して実行』を開き、『gpedit.msc』と入力してエンター)の『コンピューターの構成』 → 『管理用テンプレート』に『KB5040435 241022_20351 Known Issue Rollback』が追加されます。
『Windows 11, version 24H2 and Windows Server 2025』 → 『KB5040435 241022_20351 Known Issue Rollback』を選択して『無効』にして『OK』を押してPCを再起動すれば、本不具合が修正されます。(ややこしいですが、『無効』にすることで更新プログラムの問題部分が『無効』になり不具合が解消されるという意味です)
なお、現時点ではWindows11 23H2 / 22H2用のグループポリシーは公開されていません。MicrosoftのページにはこのグループポリシーはWindows11 23H2 / 22H2でも有効と記されていますが、上記画像のとおり、『サポートされているバージョン』にはWindows11 24H2とWindows Server 2025しか記されていません。(そのため、本記事ではWindows11 24H2 / Windows Server 2025用として紹介しています) どちらが正しいのかは不明です。筆者環境で試してみましたが、Windows11 23H2 / 22H2環境にもインストールはできました。ただ、正常に機能しているかどうかは不明です。