AMD、Ryzen 9000シリーズのCCD間レイテンシを改善!性能向上。AGESA PI 1.2.0.2 BIOSにて
AMDはRyzen 9000シリーズのCCD間レイテンシを改善しました。
Ryzen 9000シリーズのレイテンシについて
前世代のRyzen 7000シリーズ、例えばRyzen 9 7950XのCCD間のレイテンシ(遅延)は約76nsでした。しかし、Ryzen 9000シリーズではなぜかこのCCD間のレイテンシが大幅に増加しており、Ryzen 9 9950Xの場合だと平均180nsと、倍以上遅くなっていました。
Ryzen 9 9950X: Core to Coreレイテンシ
これがバグ・不具合なのか、それとも仕様なのかは定かではありませんでしたが、どうやら前者だったようです。
AGESA PI 1.2.0.2 BIOSで大幅に改善
先日、ASUSは、ソケットAM5 / AMD 600シリーズチップセットマザーボード向けにAGESA PI 1.2.0.2を内包したBIOSを公開しました。
AGESA PI 1.2.0.2 BIOSを試したユーザーからの報告によると、AGESA PI 1.2.0.1Aと比較してRyzen 9 9950XのCCD間レイテンシが大幅に減少したとのこと。AGESA PI 1.2.0.1Aでは平均180nsだったところ、AGESA PI 1.2.0.2では平均75nsにまで低下しました。Ryzen 7000シリーズと同等の速さになっています。
さらに、ほかのユーザーからは、AGESA PI 1.2.0.2 BIOSではRyzen 9 9950XのCinebench R23マルチスコアが300~500ポイント向上したと報告されています。
AGESA 1.2.0.2 / Ryzen 9 9950X
Cinebench R23マルチ47610
お使いのマザーボードにAGESA PI 1.2.0.2 BIOSがリリースされているかどうかは、各マザーボードメーカーのマザーボードページよりご確認ください。ザッと見たところ、まだ、ほとんどのマザーボード製品にはリリースされていませんが、今後、順次リリースされていくでしょう。