Ryzen 7 9700Xの各種ベンチマーク公開。前世代から消費電力と温度が大幅に低下
海外メディアのTechPowerUpにより、AMD Ryzen 7 9700Xの各種ベンチマークが公開されました。そのリザルトがこちら。
仕様
Processor | Cores/ Threads | Base Clock (GHz) | Turbo Clock (GHz) | TDP (W) | 価格 USD/ 日本円(税込) |
Ryzen 9 9950X | 16C32T | 4.3 | 5.7 | 170 | 649 ? |
Ryzen 9 9900X | 12C24T | 4.4 | 5.6 | 120 | 499 ? |
Ryzen 7 9700X | 8C16T | 3.8 | 5.5 | 65 | 359 70,800円 |
Ryzen 5 9600X | 6C12T | 3.9 | 5.4 | 65 | 279 54,800円 |
テスト環境
▼AMD Ryzen 9000シリーズ環境
メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6000 36-36-36-76
マザーボード: ASUS X670E Crosshair Hero (BIOS 2201)
グラボ: PNY GeForce RTX 4090 XLR8
▼Intel第13~14世代Core 13000 / 14000シリーズ(Raptor Lake / Raptor Lake Refresh)環境
メモリ: 32GB (16GB x2) DDR5-6000 36-36-36-76 2T / Gear 2
マザーボード: ASUS Z790 Maximus Hero (BIOS 0813 / Intel Default Settings)
Cinebench 2024
グラフの緑色がデフォルト設定になります。グラフすべてに共通します。
シングル性能は前世代のRyzen 7 7700Xから12.5%の向上を見せています。その一方でマルチは5.1%の向上に留まっています。これはおそらく動作クロックとTDPに起因しているものと思われます。
Ryzen 7 9700Xはベースクロック3.8GHz / ブーストクロック5.5GHz / TDP65Wですが、Ryzen 7 7700Xはベースクロック4.5GHz / ブーストクロック5.4GHz / TDP105Wと、後者の方が高めのベースクロック・TDPとなっています。
レンダリングパフォーマンス
Blender使用時の温度・消費電力
CPUクーラーはNoctuaのNH-D15 (空冷)を使用。
動作温度は非常に低く、Blenderで負荷をかけていても59.1℃に留まっています。消費電力も低く、80Wとなっています。
一方、Ryzen 7 7700Xは89.3℃と、その差はなんと30℃。また、消費電力は135Wと55Wもの差が出ています。
14タイトル ゲームベンチマーク 1080p (GPU: GeForce RTX 4090)
Elden Ring (エルデンリング): 154.9 fps
Spider-Man Remastered: 177.6 fps
Spider-Man Remastered (RT): 128.9 fps
14タイトルゲームベンチマーク平均fps
まとめ
Ryzen 7 9700XとRyzen 7 7700Xとを比較した場合、CPUのマルチ性能に関してはあまり大きな差はありません。Cinebench 2024のマルチは5.1%程度の向上に留まっています。
しかし、消費電力と温度がぶっちぎりでRyzen 7 9700Xの方が低くなっています。Blender使用中の高負荷時であってもRyzen 7 9700XはRyzen 7 7700Xよりも温度が30℃、消費電力が55Wも低くなっています。
▼Blender実行時の温度・消費電力
- Ryzen 7 9700X: 59.1℃ / 80W
- Ryzen 7 7700X: 89.3℃ / 135W
ゲームベンチマークはどうでしょうか。Ryzen 7 9700X vs. Ryzen 7 7700Xだと、すべてにおいてRyzen 7 9700Xが高fpsを出しています。ただ、平均fpsで見ると、Ryzen 7 7700Xよりも1.4%ほど高い程度です。ゲーム性能にも大きな差は見られません。
Ryzen 7 9700X vs. Ryzen 7 7800X3Dだと、14タイトル中、12タイトルがRyzen 7 7800X3Dの方が高fpsです。平均fpsでもRyzen 7 7800X3Dが8.2%もの高さを見せています。AMDは以前からRyzen 9000シリーズとRyzen 7000X3Dシリーズとでは、後者の方がゲーム性能が高いと言っていました。その発言に間違いはなく、改めて3D V-Cacheの強さが示されました。
ゲーム性能を重視する人であれば、Ryzen 7 7800X3Dを買うか、Ryzen 7 9800X3Dの登場を待った方が良いでしょう。
しかし、ゲームは二の次という人であれば、Ryzen 7 9700Xは消費電力と温度が低くて扱いやすいため、8C16T CPUの新たな選択肢となってくれるでしょう。
Ryzen 7 9700Xは、日本では2024年8月10日(土)AM11時に発売が予定されています。