【Windows10】 WindowsUpdate 2024年8月 不具合情報 - プレビューリリース KB5041582 [Update 3]

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2024年8月30日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用更新プログラムKB5041582の不具合情報です。

月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。

『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。

以下、2024年8月30日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。

更新履歴 [記事初公開日: 2024/8/30]
① Azure Virtual Desktopを使用する際にブラックスクリーンが発生する不具合を加筆。 [2024/10/17]
② Azure Virtual Desktopログイン時に10~30分間ブラックスクリーンが表示される不具合を加筆。 [2024/11/5]
③ Azure Virtual Desktopログイン時に10~30分間ブラックスクリーンが表示される不具合の回避策をMicrosoft公式の回避策に改訂。 [2024/11/11] [New]

Windows10 22H2用プレビューリリース: KB5041582

基本情報

KB5041582はWindows10 バージョン22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。

この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。

▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト

  • IME (Input Method Editor)において、コンボボックスに入力フォーカスがある場合、そのウィンドウを閉じるとメモリリークが発生する不具合を修正
  • 一部のモバイル通信事業者のCountry and Operator Settings Asset (COSA)プロファイルを最新のものへと変更
  • Bluetoothデバイスのメモリリークが原因でアプリが応答しなくなる不具合
  • シンボリックリンクにアクセスすると、システムが応答しなくなる不具合を修正
  • PCが正常に再起動しない不具合を修正

不具合情報

KB5041582には以下の既知の不具合があります。

既知の不具合
不具合概要回避策

日本時間で2027年7月24日にWindows10のWindows Updateに配信されたプレビューリリースKB5040525以降の更新プログラムをインストールすると、Azure Virtual Desktopのログイン時に10~30分間、ブラックスクリーンが表示される場合があります。

このほか、以下の不具合が発生する場合もあります。

  • OutlookやTeamsなどのOfficeアプリケーションでsingle sign-on (SSO)に関連する障害が発生し、バックエンドサービスへの接続やデータの同期ができなくなる
  • Microsoft Edgeなど、他のアプリケーションがインターネットやイントラネットにアクセスできているにもかかわらず、Officeアプリケーションのネットワーク接続が失われたと表示される

なお、AVDは主にエンタープライズ環境で使用されているため、Windows10 HomeやProエディションを使用している一般ユーザーがこの不具合の影響を受ける可能性は低いとされてます。

詳細は以下の記事参照。
AVDログイン時に10~30分間ブラックスクリーンが表示される不具合。Windows10にて発生

備考: この不具合は、上記『機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト』に記されている『Azure Virtual Desktop (AVD)を使用する際にブラックスクリーンが発生する不具合』とはまた別件です。

[New]

Microsoftによると、この不具合は、2024年10月23日にWindows Updateに配信されたKB5045594以降の更新プログラムをインストールし、尚且つ、『KB5048864: AVD users might experience extended time on a black screen during logon and SSO failures』のページに書かれている手順を行うことで修正されるとのことです。

Windows10用プレビューリリースKB5040525以降の更新プログラムをインストールすると、以下の不具合が発生する場合があります。

  • Azure Virtual Desktop (AVD)にログインする際にブラックスクリーンが発生
  • AVDアカウントからログアウトできない
  • 再接続後にもブラックスクリーンが発生
  • AppX Deployment Service (AppxSvc)を無効にしていると、スタートメニューがクラッシュ

なお、AVDは主にエンタープライズ環境で使用されているため、Windows10 HomeやProエディションを使用している一般ユーザーがこの不具合の影響を受ける可能性は低いとされてます。

詳細は以下の記事参照。
Azure Virtual Desktopを使用する際にブラックスクリーン。Windows10にて発生

この不具合はKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正されます。以下の特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できます。

上記グループポリシーの詳細については左記のリンク先をご覧ください。

2024年8月のセキュリティ更新プログラム以降をインストールすると、WindowsとLinuxのデュアルブート環境において、Linuxが起動しなくなる場合があります。

この不具合は、デュアルブート環境に誤ってSecure Boot Advanced Targeting (SBAT)のアップデートが適用されてしまうことに起因しています。

詳細は以下の記事参照。
WindowsとLinuxのデュアルブート環境でLinuxが起動しない不具合。2024年8月の更新プログラムが原因

▼まだ2024年8月のセキュリティ更新プログラム以降をインストールしていない場合

まだ2024年8月のセキュリティ更新プログラムをインストールしていない場合、以下のレジストリを追加すればSBATのアップデートはインストールされず不具合も発生ません。

【キー】HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\SecureBoot\SBAT
【DWORD】OptOut
【値】『1』

将来的にSBATのアップデートをインストールする場合は、DWORD『OptOut』を削除してください。

▼すでにLinuxが起動しなくなっている場合

すでにLinuxが起動しなくなっている場合は以下の手順で復旧するようMicrosoftは案内しています。

  1. セキュアブート(Secure Boot)を無効化する
  2. Linuxを起動してターミナルを開き、コマンド『sudo mokutil --set-sbat-policy delete』を実行する。その後、Linuxを再起動する
  3. ターミナルでコマンド『mokutil --list-sbat-revocations』を実行してSBATの失効を確認する
  4. セキュアブートを有効化する
  5. Linuxを起動して、コマンド『mokutil --sb-state』を実行し、『SecureBoot enabled』(セキュアブートが有効)と表示されることを確認する。もし、disabled (無効)なら『4.』の手順を再び行う
  6. 上記『まだ2024年8月のセキュリティ更新プログラムをインストールしていない場合』を実行し、WindowsにSBATのアップデートがインストールされないようにする

現在、MicrosoftはLinuxパートナーとともに本不具合の調査を行っているとのことです。

2024年4月24日に公開されたプレビューリリースKB5036979以降をインストールすると、ユーザーアカウントのプロフィール画像を変更できなくなる場合があります。

『設定』 → 『アカウント』 → 『ユーザーの情報』 → 『自分の画像を作成』 → 『参照』を選択してプロフィール画像を変更しようとすると『0x80070520』エラーが表示される場合があります。

Microsoftから回避策は案内されていません。

何度試してもエラーが表示される場合は、KB5036979までの更新プログラムをアンインストールするくらいしか回避策はありません。

Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。