ポンプのない簡易水冷CPUクーラーが登場!性能とメリットやいかに
Wielandというドイツ企業が、一風変わった簡易水冷CPUクーラー(AIO)を設計しました。それがこちら。
この簡易水冷クーラーは、自然対流に基づく受動的な熱交換方法であるサーモサイフォンを採用しているため、一般的な簡易水冷クーラーとは違ってポンプがありません。なお、上記写真はプロトタイプのため、市販モデル(発売されるなら)とは異なることはご留意ください。
ドイツのオーバークロッカーであるder8auer氏がこの簡易水冷クーラーのテストを行ったところ、AMD Ryzen 9 7950X環境でのゲーム時のCPU温度は77~78℃になりました。der8auer氏によると、このCPU温度は、Corsairの240mm簡易水冷よりも約8~9℃高い温度とのこと。
左: Corsair 70℃ / 右: Wieland 78℃
Cinebench R23の20分ストレステストにおいては、Corsairの240mm簡易水冷は常に5000MHzを保てたものの、Wielandの簡易水冷はそれよりも150~200MHz低い動作クロックとなりました。
Corsair: 5000MHz / Wieland: 4800~4850MHz
Wielandの簡易水冷はCorsairの240mm簡易水冷には勝てませんでしたが、それでもWielandには以下の3つのメリットがあるとder8auer氏は述べています。
- ポンプがないため一般的な簡易水冷より安価に販売できる可能性がある
- ポンプの故障リスクがない
- ポンプの騒音がないため一般的な簡易水冷より静か
また、der8auer氏は、ベースプレート(水枕 / ウォーターブロック)がアルミ製のため、これを銅製へと変更すればさらに冷却能力が向上する可能性があるとも述べています。
実際に発売されるかどうかはまだわかりませんですが、もし発売されるなら、空冷CPUクーラーと簡易水冷クーラーの間の立ち位置となるでしょうか。今後の改良次第では、ポンプ付き簡易水冷により近い性能を期待できるかもしれませんね。