【Windows11】 WindowsUpdate 2024年4月 不具合情報 - プレビューリリース KB5036980 スタートメニューに広告が表示されるように。無効化方法あり [Update 1]
WindowsUpdate
2024年4月24日にWindowsUpdateに配信されたWindows11 バージョン23H2 / 22H2用更新プログラムKB5036980の不具合情報です。
月例の翌々週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。
『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。
以下、2024年4月24日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。
更新履歴 [記事初公開日: 2024/4/24]
① VPNに接続できない・繋がらない既知の不具合を加筆。 [2024/5/2]
② Windows11 ProからEnterpriseへのアップグレードに失敗する既知の不具合を加筆。 [2024/6/19] [New] |
Windows11 23H2 / 22H2用プレビューリリース: KB5036980
基本情報
KB5036980はWindows11 バージョン23H2 / 22H2用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。
この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。
▼機能改善や修正された不具合・更新プログラムのハイライト - この更新プログラムにより、スタートメニューの『おすすめ』セクションにMicrosoft Storeのアプリが表示されるようになりました。(※筆者注: つまるところMicrosoft Storeの広告です。詳細はこちらの記事をご覧ください) この機能が不要な場合は、『設定』 → 『個人用設定』 → 『スタート』→ 『ヒント、ショートカット、新しいアプリなどのおすすめを表示します』のトグルをオフにしてください
- TCP接続のタイムスタンプを有効にすると、ネットワーク上のデータ転送速度が著しく低下する不具合を修正
- 複数のOSを起動できるにブートローダーを設定していると、競合によりPCの起動が停止する恐れのある不具合を修正
- Accelerator backing store managementに影響する不具合を修正。この不具合により、一部環境でメモリリークが発生していました
- ユニバーサルプリンターにおいて、印刷キューが重複して作成される不具合を修正
- Bluetooth Advanced Audio Distribution Profile (A2DP)をサポートするPCでブルースクリーンエラー(BSoD)が発生する不具合を修正
- Distributed Transaction Coordinator (DTC)に影響する不具合を修正。この不具合により、メモリリークが発生していました
- Resilient File System (ReFS)に影響する不具合を修正。この不具合により、高負荷時にはシステムの応答しなくなることがありました。また、サインインに時間がかかることもありました
- 今後数週間でよく使うアプリがスタートメニューの『おすすめ』セクションに表示されるようになるかもしれません。これは、まだスタートメニューやタスクバーにピン留めされていないアプリに適用されます
- タスクバーのウィジェットのアイコンを改善。アイコンがぼやけなくなったほか、より大きなアニメーションアイコンもロールアウト
- ロック画面のウィジェットの信頼性と品質が向上
- サインイン時に日本語106配列のタッチキーボードが正常に表示されるようになりました
- 『設定』において、フライアウトメニューを閉じると応答しなくなる不具合を修正
- 『AllowScreenRecorder』というMobile device management (MDM)ポリシーを追加。このポリシーはSnipping Toolに影響します。このポシリーを使用することで、アプリによる画面録画をオフにできます
- Group Policy Object (GPO)を使用したArm64 .msiファイルのサポートを追加。Group Policy Management Console (GPMC)を使用してArm64 .msiファイルを追加できるようになりました
- 『netstat -c』コマンドが正常に動作しない不具合を修正
- この更新プログラムはメディアの割り当てに影響します。これによりMemory granularityが改善されるほか、Overcommitmentが減少しました。またパフォーマンスがより効率的になりました
- Windows Subsystem for Linux 2 (WSL2)において、分割DNSセットアップで名前の解決に失敗する不具合を修正
- 一部のモバイル通信事業者のCountry and Operator Settings Asset (COSA)プロファイルを最新のものへと変更
- Address Resolution Protocol (ARP)に影響する不具合を修正。外部ポートに対して誤ったVirtual Subnet ID (VSID)が返されていました
- Host Networking Service (HNS)のメモリ割り当ての不具合を修正。これにより、メモリが大量に消費されていました
- PINを使用してサインインするとアプリケーションを実行できないことがある不具合を修正。この不具合は、通常のユーザーを管理者へと昇格させたときに発生しました
- この更新プログラムはHypervisor-protected code integrity (HVCI)に影響します。これにより、互換性のあるドライバを使用できるようになりました
- Windows Kernel Vulnerable Driver Blocklistファイル(DriverSiPolicy.p7b)を更新。この更新により、Bring Your Own Vulnerable Driver (BYOVD)攻撃の危険にさらされる恐れがあるドライバをリストに追加しました
- Protected Process Light (PPL)に影響する不具合を修正
- Windows Local Administrator Password Solution (LAPS)に影響する不具合を修正。Post Authentication Actions (PAA)は猶予期間の終わりではなく、再起動時に発生していました
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不具合情報
KB5036980には以下の既知の不具合があります。
既知の不具合
不具合概要 | 回避策 |
[New] 2024年4月10日にWindows Updateに配信されたWindows11用セキュリティ更新プログラムKB5036893以降をインストールすると、Windows11 ProからWindows11 Enterpriseサブスクリプションへのアップグレードに失敗する場合があります。 | Microsoftはこの不具合の対処方法や回避策を案内していません。強いて言うなら、KB5036893までの当該更新プログラムを全部アンインストールするくらいしかありません。 Microsoftは本不具合の解決に取り組んでおり、今後数週間以内に修正を予定しています。 |
KB5036980をインストールすると、ユーザーアカウントのプロフィール画像を変更できなくなる場合があります。 『設定』 → 『アカウント』 → 『ユーザーの情報』 → 『ファイルの選択』 → 『ファイルの参照』を選択してプロフィール画像を変更しようとすると『0x80070520』エラーが表示される場合があります。 | Microsoftから回避策は案内されていません。 この不具合が発生したら困る場合は、KB5036980のインストールは控えてください。すでにインストール済みの場合は、KB5036980のアンインストールをお試しください。 Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。 |
2024年4月10日公開のセキュリティ更新プログラムKB5036893以降をインストールすると、VPN接続時にエラーが発生して接続に失敗する場合があります。 | Microsoftから回避策は案内されていません。 本不具合にお困りの場合は、一時的な対処方法として、KB5036893までの更新プログラムをアンインストールしてください。 Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のアップデートで修正を予定しています。 |