AMD 4800SでPCゲームをするとどうなるの?Xbox Series X用APUをPC向けに転用したCPU
Xbox Series X用APUをPC向けに転用したAMD 4800Sのゲームベンチマーク結果が公開されました。
AMD 4800Sは、製造過程でダイの一部に欠陥が生じてXbox Series X用APUになれなかったCPUです。Xbox Series XのAPUには3328基のRDNA 2 GPUコアが搭載されていますが、AMD 4800Sではこれが無効化されています。
左: AMD 4800S / 右: Xbox Series X APU
刻印以外、見た目は完全に一致
その一方で、Xbox Series Xの全コア最大ブーストは3.6GHzですが、AMD 4800Sは4.0GHzまでブーストし、Xbox Series Xよりも約11%速いとされています。そんなAMD 4800SでPCゲームをするとどうなるのでしょうか。海外メディアのEurogamerにより検証が行われました。
いくつかの留意事項として、AMD 4800Sはマザーボード一体型となっており、DDR4ではなく16GBのGDDR6 (DDR4より帯域幅は広いもののレイテンシが高い)をシステムメモリとして使用しています。
また、PCIeスロットは、PCIe 4.0 x4となっており、Eurogamerは「PCIeの帯域幅が結果に影響している可能性は否定できない」と述べています。
それでは、AMD 4800Sのゲームベンチマーク結果がこちら。
Call of Duty Black Ops: Cold War
- AMD 4800S: Zen 2 / 8C16T / 16GB GDDR
- Ryzen 7 PRO 4750G: Zen 2 / 8C16T / DDR4-3600
- Ryzen 5 3600: Zen 2 / 6C12T / DDR4-3600
- Ryzen 5 7600: Zen 4 / 6C12T / DDR5-5200
4800S | 4750G | 3600 | 7600 | |
Crysis 3 | 95 | 100 | 106 | 242 |
CoD BO: CW | 86 | 91 | 79 | 123 |
Metro Exodus | 94 | 136 | 164 | 274 |
各ベンチマークはGeForce RTX 3090が使用されました。AMD 4800Sは、Crysis 3 RemasteredやCall of Duty Black Ops: Cold WarではRyzen 7 PRO 4750GやRyzen 5 3600に近いフレームレートを示しましたが、Metro Exodus Enhanced Editonでは両CPUより大幅に低いフレームレートとなりました。
Zen 4世代のRyzen 5 7600と比較すると、AMD 4800SもRyzen 7 PRO 4750Gも、Crysis 3 RemasteredとMetro Exodus Enhanced Editonで2倍以上ものフレームレート差をつけて引き離されており、時代の流れを感じさせる結果となりました。