AMD、将来のCPU向けにマイクロコードのサイズを大幅に増加。Zen 5に向けたアップデートか。増加の理由は
AMDは、将来のCPU向けにLinuxにおけるマイクロコードのサイズを大幅に増加しました。海外メディアのTom’s Hardwareが報じました。
現在、Linux kernelのAMD CPU向けマイクロコードパッチの最大サイズは12KBだ。これはLinux kernelのページサイズ(通常は4K)の3倍となっている。しかし、将来のCPU (おそらくはZen 5。あるいはさらにその先のCPU)向けパッチでは最大32KBにまで増加するようだ。 AMDは以下のように述べている。
マイクロコードは、CPUの動作方法を定義する低レベルのコードだ。簡単に更新ができるため、CPUに脆弱性やバグが見つかった場合、マイクロコードを使用して修正されることがよくある。 マイクロコードを使用すれば、ハードウェアで直接実装するのが困難な、複雑な命令もCPUで処理できる。命令セットが複雑になればなるほどマイクロコードも複雑になる。つまり、AMDがZen 5やそれ以降の後継製品に複雑な新しい命令セットを実装する場合、マイクロコードのサイズを大きくする必要がある。 また、マイクロコードのサイズを大きくすることで、CPU全体を大きく再設計することなく、新しい機能の追加や最適化、バグ修正、セキュリティ強化なども行えるようになる。CPU全体を再設計するとなると莫大なコストがかかるが、この方法であればそれを回避できる。おそらくはこれらのような事情でサイズを大きくするのだろう。 [Source: Tom’s Hardware] |
AMDは「将来のCPU」が具体的に何かを述べていませんが、Tom’s Hardwareも推測しているように、このタイミングからしてZen 5に向けたアップデートと考えるのが妥当でしょう。
留意点としては、あくまでも最大が32KBであって、Zen 5からいきなり32KBになるというわけではありません。Zen 5より先の世代も見据えて12KB → 32KBという大幅な増加となっています。