ASUS、ベータBIOSやEXPOを使っても製品を保証すると発表。当初は保証しないと言っていたが炎上を受けて方針転換
ASUSは、AM5マザーボードにおいて、ベータBIOSを使用したり、EXPOメモリを使用した場合でも製品を保証することを発表しました。
Ryzen 7000シリーズ対応AM5プラットフォームマザーボードのBIOSアップデートと保証について BIOSアップデートが当社(ASUS)のAM5マザーボードの保証に影響するかどうかについて、ユーザーから寄せられた懸念にお答えいたします。当社のAM5マザーボード用BIOSのベータ版と正式版、いずれのBIOSアップデートも当社の保証の対象となることをお伝えいたします。 また、以下の点も合わせてお伝えいたします。
[Source: ASUS] |
さて、なぜ、ASUSがいきなりこんな発表をしたかと申しますと、事の発端は、Ryzen 7000X3Dシリーズが焦げて破損する問題を受けて公開したベータBIOSの注意文。
これはベータ版BIOSであり、正式リリース前の最終テスト中のものであることにご注意ください。UEFI、そのファームウェアおよびそこにあるすべてのコンテンツは、「現状のまま」および「利用可能なまま」で提供されます。 当社(ASUS)は、UEFI、そのファームウェア、またはそのコンテンツの適合性、互換性、またはユーザビリティについて、明示的または限定的にかかわらず、いかなる保証も行いません。 製品保証に規定されている場合を除き、また法律で認められている最大限の範囲において、当社はこのベータ版BIOSの使用に起因する直接的、特別、付随的または結果的な損害に対して責任を負いません。 |
小難しいことを書いていますが、一言でいうと、「ベータBIOSを使用すると保証外になる」と読み解けます。
このASUSの注意文に対して、海外のPC系YouTubeチャンネルGamersNexusはブチギレて「不良品を出荷して、それを修正するBIOSを公開して、そのBIOSを適用すると保証が無効になるってどういうことだ」と盛大にASUSをぶっ叩きました。この動画の再生数は2023年5月16日時点で93万再生にものぼっており、コメント欄はASUSへの批判で溢れています。
今回のASUSの発表は、この炎上に対応したものとなります。上記の注意文も、現在は削除されています。
また、今回の発表に伴って1点朗報があります。本来であれば、オーバークロックは保証の対象外ですが、今回、ASUSは、AM5マザーボードにおいてはEXPOなどのオーバークロックメモリを使用しても保証すると明言しています。これについてはナイスと言えます。
しかしながら、当初の注意文が最悪なため、ブランドイメージを大きく損なったことは間違いないでしょう。また、今回の発表も、炎上したから渋々方針転換したように見えて仕方ありません。もし、GamersNexusによる炎上がなかったら、方針転換もなく、「ベータBIOSを使用すると保証外」を貫いていたのではないでしょうか。