ジム・ケラー氏自らがAMD Zen 5の性能を予測
ジム・ケラー氏(Jim Keller)自らがAMD Zen 5の性能予測を公開しました。
ジム・ケラー氏というと、AMD RyzenプロセッサーのZenアーキテクチャ開発チームのリーダーを務め、AMDのCPUに革命をもたらした人物です。AMDを退職後は、Tesla、Intelへの移籍を経て、2020年にAIプロセッサを開発するTenstorrentに入社し、2023年1月には同社のCEOに就任しました。
インドで開催されたイベント『Nerds Talking to Nerds About RISC-V hosted by Tenstorrent』にて、ジム・ケラー氏はTenstorrent製CPUと他社製CPUの性能予測のスライドショーを公開しました。それがこちら。
ジム・ケラー氏によると、CPUの整数演算性能を測定するベンチマーク、SPEC CPU 2017 INT Rateにおいて、Tenstorrent製の次世代CPUは最大8.14ポイントに達すると予測しており、NVIDIA Grace (7.44ポイント)やIntel Sappihire Rapids Xeon Platinum 8480+ (7.45ポイント)を上回ることを見込んでいます。
しかし、AMD Zen 5は、Zen 4 (6.8ポイント)から30%向上した8.84ポイントに達することを予測しており、これらの中でもっとも優れた整数演算性能を有することが見込まれています。
もちろん、このスライドショーはあくまでもジム・ケラー氏による予測のため、実際の性能にどこまで反映されるかは定かではありません。しかしながら、元Zen開発チームリーダーであるジム・ケラー氏自らの予測のため、期待が高まります。また、このスライドショーからは、ジム・ケラー氏がZenアーキテクチャを過小評価していないことが窺えます。