12VHPWRケーブルは特定条件下で溶ける [Update 1]

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12VHPWRコネクタ

12VHPWRコネクタケーブル(『16ピンコネクタ』や『12+4ピンコネクタ』とも呼ばれる)を特定条件下で使用し続けると、コネクタやケーブルが溶ける・融解することが判明しました。

更新履歴
① 記事に誤解を招く内容がありましたため、当該箇所ならびに記事タイトルを削除・改訂いたしました。 [2022/9/23]

特定の条件下で12VHPWRコネクタ・ケーブルが融解する不具合

PCI-SIGは、メンバー宛てに『12VHPWRケーブルを特定条件下で使用した際の問題点』を記したPDFを送付しました。一般にはまだ公開されていませんが、GamersNexusが入手しYouTubeで公開しました。その内容が以下。

12VHPWRコネクタ - 負荷テスト

▼テスト環境

  • CEM仕様に基づく660W(55A / 12V)での連続使用
  • PCケース内などを想定して、30mmを目安にして12VHPWRケーブルを折り曲げる(グラボ・電源側両方)
  • 室温26度

12VHPWRコネクタ - 負荷テスト

12VHPWRコネクタ - 負荷テスト

▼テスト結果

  • コネクタの接続部分が過熱し融解。複数のサプライヤー、デザインで発生
  • 2.5時間後にホットスポットが発生し、10~30時間後に融解が見られた
  • 3つの異なるメーカー製品でテストを行い、少なくとも10個のサンプルで融解またはホットスポットが見られた
  • 曲がっていないケーブルではこのような故障は発生しない
  • しかし、接続したり外したりを40回繰り返したケーブルでは、曲げていないケーブルでも同じように融解した

12VHPWRコネクタ - 負荷テスト

▼考えられる原因

  • ピン間の抵抗のばらつきにより電流がアンバランスになる
  • ケーブルを曲げたことで他のピンが高抵抗になったり、画像のように接触面積の減少したり、接触不良が起こる。コネクタの変形の可能性が考えられる

PCI-SIGによると、12VHPWRケーブルを曲げた状態で660Wで使用し続けると、コネクタやケーブルが融解するそうです。また、取り付け・取り外しを40回ほど繰り返したケーブルだと、曲げていなくても融解したそうです。これは最悪、火災に繋がりかねません。12VHPWRコネクタは物理的に非常に脆弱な模様です。

WCCF TECHの先日の報道では「『8ピン → 12VHPWR変換コネクタ』使用時の、8ピンごとの負荷の偏りが問題ではないか」と推測していましたが、PCI-SIGの発表によると変換コネクタどうこうの問題ではなく、12VHPWRコネクタ・ケーブルそのものの問題のようです。

ただし、PCI-SIGの検証結果には留意点があります。12VHPWRコネクタは最大600W(50A / 12V)の連続出力、ピークは最大660W(55A / 12V)の出力に耐えることができるとされています。上記テストは、ピークの660Wを連続出力という非常にエクストリームな状況でのテストです。現状、定格でそのような高出力が必要になるグラボはありません。

しかしながら、12VHPWRケーブルが曲がりに弱く、物理的に脆弱であることは事実なため、使用にあたっては気をつけたいところです。

Ada,Ampere

Posted by にっち