グラボ(GPU)に適したサーマルペースト(グリス)の塗り方。最大で5度もの温度差
ドイツメディアのigor’sLABにより、GeForceやRADEONなど、グラボ(GPU)に適したサーマルペースト(グリス)の塗り方が検証されました。
予備知識
まず、予備知識として、GPUダイはある程度湾曲しており、個体差にもよりますが、0.06~0.08mm程度隆起している場合があります。
GPUダイはある程度湾曲している [Source: igor’sLAB]
そのため、igor’sLABは、GPUクーラーとGPUダイの隙間からサーマルペーストが流れ出ないように、粘度が高めのサーマルペーストを推奨しています。
サーマルペーストの塗り方
検証されたサーマルペーストの塗り方は以下の3つ。
上から順に、まんべんなく薄塗り、中央盛り、一本線塗り。残念ながらこの3つのみで、バツ字塗りや米字塗りなど、その他の塗り方は検証されていません。
温度
上記の塗り方での結果は、以下のような温度差となりました。
検証環境 GPU: GeForce RTX 3080 GPUクーラー: Alphacool Aurora GPX-N (水冷水枕) サーマルペースト: Alphacool Apex |
もっとも冷えたのは一本線塗りで、次点が中央盛り、一番冷えなかったのはまんべんなく薄塗りとなりました。そして、一本線塗りとまんべんなく薄塗りとの温度差はなんと最大5.3度。一本線塗りが圧倒的に冷えています。
この例でのまんべんなく薄塗りは、あまりにも塗りが薄すぎるため、その見た目から良い結果にならないことはある程度予想できますが、一本線塗りと中央盛りとを比較しても最大3.1度も差があります。
この温度差を出すためには、塗り方だけでなく、GPUクーラーの設置方法とネジの止め方も重要とされています。
まず、GPUクーラーがズレないようにまっすぐ設置します。次に、上記白線の真ん中部分を軽く押し付けます。
そしてネジ止め方法が特殊です。黄色の縦ラインと青色の縦ライン、交互に徐々にテンションをかけてネジ止めしていきます。斜めではありません、縦です。縦に、シーソーのように左右にテンションをかけていきます。
黄色2つを軽く締める→青色2つを軽く締める→黄色2つを軽く締める→青色2つを軽く締める……これを繰り返していき、最後に黄色2つ→青色2つをしっかり締めるといった具合です。仮に『シーソー止め』とでも名付けましょう。
クーラーのネジ止めというと対角線上の斜め止めがよく推奨されていますが、一本線塗りに関しては、igor’sLABはこのシーソー止めを推奨しています。