自動メンテナンスが終わらない不具合。KB5014666以降適用環境で発生 [Update 1]
2022年6月29日にWindowsUpdateに配信されたWindows10 バージョン21H2 / 21H1用セキュリティ更新プログラムKB5014666以降をインストールした環境において、自動メンテナンスが永久に終わらないという不具合が発生しています。
更新履歴 ① KB5015878、KB5016616を加筆。 [2022/8/18] [New] |
不具合概要
Windowsの自動メンテナンスが、自動実行・手動実行問わず、いつまで経っても完了しない・終わらない不具合が発生しています。
手動実行の場合、いつまで経っても「メンテナンスは進行中です」が表示されたまま消えません。しかし、ある程度時間が経つと自動メンテナンスによるCPUやストレージ(SSD・HDD)などへの負荷はなくなります。おそらく、内部的には終わっているものの、ステータスや終了フラグだけが更新されていない状況になっているものと思われます。なお、手動で『メンテナンスの停止』を押すことで、終了させることは可能です。
自動実行の場合、アイドル時に自動メンテナンスが始まります。自動実行も同様で、当初はCPU負荷が高いものの、ある程度時間が経つとPCへの負荷はなくなります。こちらも、「メンテナンスは進行中です」がずっと表示されたままなだけで、内部的には終わっているもののステータスや終了フラグだけが更新されていない状況になっているものと思われます。
しかし、自動実行の場合は、マウスカーソルを動かしたり、何らかの操作を行うとアイドル状態が解けて、自動メンテナンスが『中断』という形になります。その後、またアイドル状態になると自動メンテナンスが自動実行されます。再度、自動実行されても、当初のような高いCPU負荷は発生しませんが、瞬間的にわずかにCPUとストレージに負荷が発生します。
この不具合は、現在、以下のOSおよび更新プログラムでの発生が確認されています。
- Windows10 バージョン21H2 / 21H1
KB5016616 (2022年8月10日 セキュリティ更新プログラム) [New]
KB5015878 (2022年7月27日 プレビューリリース) [New]
KB5015807 (2022年7月13日 セキュリティ更新プログラム)
KB5014666 (2022年6月29日 プレビューリリース)
- Windows8.1
当サイトに、Windows8.1でも完了しなくなったとの報告を2件いただきました。自環境で試したところ、Windows8.1に関しては問題なく完了しました。環境依存もしくは何かしらの発生条件があるのかもしれません。
自環境で試した結果は、Windows10 → 不具合発生、Windows11 → 発生せず、Windows8.1 → 発生せず、といった具合でした。
対処方法・回避策
この不具合の対処方法・回避策はいくつかあります。まず1つ目は「気にしない」です。「メンテナンスは進行中です」が出たままなだけで、大した弊害はありません。ただ、自動実行の場合は、アイドル状態になると何度でも自動メンテナンスが始まって、わずかにPCに負荷がかかります。この負荷は本当にわずかで、瞬間的にCPUとストレージの使用率が少々上がるくらいです。あとはアイドル状態と変わりありません。
2つ目の回避策はKB5014666以降の更新プログラム(プレビューリリースおよびセキュリティ更新プログラム)をすべてアンインストールすることです。これにより自動メンテナンスが完了するようになります。ただし、セキュリティアップデートをアンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。
このほか、PCへの負荷が気になる方は、自動メンテナンスを無効にすれば、自動メンテナンスによるPCへの負荷は一切発生しなくなります。ただし、自動メンテナンスを無効にすると、WindowsUpdateやソフトウェアの更新、セキュリティのスキャンやシステム診断が定期的に行われなくなりますのでご注意ください。
更新プログラムのアンインストールや、自動メンテナンスの無効化をするほどでもないものと思われますが、一応、手順を以下にご紹介いたします。
更新プログラムのアンインストール方法
1. 『スタートボタン』 → 『設定』 → 『更新とセキュリティ』 → 『更新の履歴を表示する』 → 『更新プログラムをアンインストールする』を選択。
2. 当該更新プログラムを右クリックして『アンインストール』を選択すればアンインストールされます。
3. アンインストール後は、更新プログラムが再び入ってこないように更新プログラムを一時停止しておきましょう。『Windows Update』の画面から、『更新を 7 日間一時停止』や、『詳細オプション』の『更新の一時停止』を選択。
なお、セキュリティアップデートをアンインストールすると脆弱性が未修正のままになることには注意が必要です。
自動メンテナンスの無効化方法
以下の手順でレジストリを設定してPCを再起動することで、自動メンテナンスを無効にできます。なお、自動メンテナンスを無効にすると、WindowsUpdateやソフトウェアの更新、セキュリティのスキャンやシステム診断が定期的に行われなくなりますのでご注意ください。
1. まず、[Windows]+[R]キーを押して、『regedit』と入力してエンターを押してください。
2. レジストリエディターが起動したら、『HKEY_LOCAL_MACHINEの\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\Maintenance』へと進んで、右側で右クリックして『DWORD (32 ビット) 値』を選択。
3. 『MaintenanceDisabled』と入力してエンター。
4. 『MaintenanceDisabled』をダブルクリックして、『値のデータ』に『1』と入力して『OK』。
【キー】HKEY_LOCAL_MACHINEの\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\Maintenance 【DWORD】MaintenanceDisabled 【値】『1』で自動メンテナンス無効、『0』で有効 |
あとは、レジストリエディターを閉じて、PCを再起動してください。これで自動メンテナンスが実行されなくなります。(手動でも実行不可)
再度、有効にしたくなった場合は、『MaintenanceDisabled』の『値のデータ』を『0』にするか、『MaintenanceDisabled』を削除することで、再び自動メンテナンスが有効になります。