Intel、ATX12VOの普及を狙うもマザー・電源メーカーは反発

マザーボード,電源

AXT12VO採用マザーボード

IntelはAlder Lake-SでATX12VOを普及させたい考えのようです。海外メディアのVideoCardzが報じました。

AXT12VO採用マザーボード

ATX12VOは電力効率を高めることを目的としており、アイドル状態では消費電力を半分に減らすことができるとされている。しかし、高負荷時にはこのような効率はない。ATX12VOは10ピンの電源コネクタとなり、それを備えたマザーボードと電源が必要になる。

情報筋より得たAlder Lake-SマザーボードとATX12VO規格の状況を簡潔まとめた資料では、マザーボードメーカーや電源メーカーに対して、ATX12VOを採用するプロセスの概要を説明している。

ATX12VOに関する資料

ADL-Sのローンチに伴ってATX12VOベースのシステムを市場に投入するまでのスケジュール

  • ATX12VO電源ベンダーは、大量生産の準備に最大4か月を要するとしている
  • マザーボードベンダーは適切な機能を備えたATX12VOマザーボードの企画から投入まで最大4~5か月要するとしている
  • 以上のことを踏まえて、ADL-Sベースの製品企画から市場への投入を実現するためには、OEM / ODM / LOEMは、2021年5月末までにマザーボードおよびPSUベンダーと協力する必要があると考えられる

本件についてマザーボードベンダーに取材したところ、IntelはATX12VOの普及に関心を持っているが、マザーボードメーカーや電源メーカーからは強く反発されているという。Alder Lake-S用のハイエンドゲーミングマザーボードの多くは、ATX12VO規格を採用しないことが見込まれている。

しかし、電力効率に関心のあるシステムインレグレーターやプリビルドシステムのサプライヤー向けに、エントリーレベルマザーボードでは広く採用されるかもしれない。

ATX12VOはIntelが提唱している新規格の10ピンコネクタで、既存の24ピンコネクタに代わるATX電源コネクタ。

左: 24ピン電源コネクタ / 右: ATX12VO 10ピン電源コネクタ
左: 24ピン電源コネクタ / 右: ATX12VO 10ピン電源コネクタ

Intelは普及させたいようですが、マザーボードメーカーや電源メーカーは乗り気ではないようです。互換性を考えると乗り気にならないのも致し方なしといったところでしょうか。

ただ、アイドル時の消費電力が半分になるというのは中々に魅力的な部分でもあります。長時間PCを付けっぱなしにしている環境や、企業などでは需要がありそうです。

AlderLake

Posted by にっち