【Windows10】 WindowsUpdate 2021年6月 不具合情報 - プレビューリリース KB5003690 [Update 3]
2021年6月22日にWindowsUpdateに配信されたWindows10用更新プログラムKB5003690の不具合情報です。
月例の翌週以降に公開・配信される更新プログラムは『プレビューリリース』と呼ばれており、新たなセキュリティアップデートを含んでおらず、不具合の修正や機能改善のみの更新プログラムとなっています。特に問題がなければ次の月例に同梱されます。
『プレビューリリース』は文字通りに早期公開のプレビュー版なため、すぐにでも適用したい不具合の修正がない場合や、人柱になりたくない場合はスルーを推奨いたします。不具合の修正内容については各更新プログラムのリンク先よりご確認くださいませ。
以下、2021年6月22日に公開された更新プログラムの不具合およびその回避策・解決策になります。『.NET Framework』など、その他の更新プログラムやWindows Server固有の不具合は割愛しています。
更新履歴 ① 当初、Microsoftは、5.1オーディオ環境でノイズが乗る不具合を既知の不具合に掲載していましたが、修正済みへと変更されました。それに伴い、本不具合を『更新プログラムのハイライト』に加筆、既知の不具合から削除。このほか、システム証明書とユーザー証明書が消失する不具合も既知の不具合から削除されました。 [2021/6/23] ② Internet Explorer 11 (IE11)等でPDFが開けなくなる既知の不具合を加筆。 [2021/6/29] ③ 特定のプリンターで印刷ができなくなる既知の不具合を加筆。 [2021/7/9] [New] |
21H1 / 20H2 / 2004用プレビューリリース: KB5003690
基本情報
KB5003690はWindows10 バージョン21H1 / 20H2 / 2004用のプレビューリリースと呼ばれる累積更新プログラムです。この更新プログラムを適用することで、機能の改善や不具合の修正などが施されます。ただし、あくまでもプレビュー版であることには注意が必要です。
この更新プログラムに新たな脆弱性の修正は含まれておらず、インストールしなくてもセキュリティ上の問題はありません。
更新プログラムのハイライト
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不具合情報
KB5003690には以下の既知の不具合があります。
不具合概要 | 回避策 | ||
ふりがなの自動入力が正常に動作しない場合があります。例えば、漢字で氏名を入力した際にふりがなも自動入力されるようなアプリケーションを使用すると、正しくないふりがなが表示される場合があります。 この不具合は『ImmGetCompositionString()』関数を使用するアプリで発生します。 この不具合は、2020年6月10日以降(KB4557957以降)のWindows10 バージョン21H1 / 20H2 / 2004のすべての更新プログラムに影響します。
| 『設定』 → 『設定の検索』に「日本語 IME の設定」と入力して『日本語 IME の設定』を開く → 『全般』 → 一番下の『以前のバージョンの Microsoft IME を使う』をオンに変更することでこの不具合を回避できます。 | ||
濁点や半濁点が付いている一部の半角カタカナと全角カタカナの文字は、同じ文字として解釈されません。CompareStringEx()関数でNORM_IGNOREWIDTHフラグを指定して比較すると、ソートルールの不具合により、これらの文字は異なるものとして評価されます。この不具合は、2020年6月10日以降のWindows10 バージョン21H1 / 20H2 / 2004のすべての更新プログラムに影響します。 | コマンドプロンプト(管理者)を開いて、以下のコマンドを入力・実行してください。
上記コマンドはレジストリのデータを書き換えるコマンドです。PCを再起動するとソートルールが1909以前に戻って不具合が発生しなくなります。 ただし、この回避策は、2020年12月1日公開のKB4586853以降が適用されている環境でのみ行ってください。KB4586853以降が適用されていない環境で行うと、PCが起動しなくなる恐れがあります。 また、Microsoftは元に戻す方法を案内していませんので実行する際はご注意ください。 こちらの環境で調べたところ、元のデータは20H2 / 2004ともに『00060305』だったので以下を実行すれば元に戻るはずです。
環境によってデータが異なるなんてこともあるかもしれませんので、レジストリエディターで『HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Nls\Sorting\Versions』を開いて、『(既定)』の変更前のデータを確認しておくことをおすすめいたします。 上記内容でいまいちよくわからない場合や、この不具合に困っていない場合は、この回避策の実行はおすすめいたしません。修正されるのを待つことをおすすめいたします。 | ||
カスタムオフラインメディアまたはカスタムISOイメージからWindows10をインストールした環境だと、この更新プログラムによってMicrosoft Edge Legacyが削除されても、新しいMicrosoft Edgeに自動的に置き換えられない場合があります。 この不具合は、カスタムオフラインメディアまたはISOイメージが、2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)を最初にインストールせずに、この更新プログラムをイメージにスリップストリームして作成された場合にのみ発生します。 なお、WindowsUpdateに直接接続して更新プログラムを受信するデバイスは影響を受けません。これにはWindows Update for Businessを使用しているデバイスも含まれます。 | この不具合を回避するには、最新の累積更新プログラム(LCU)をスリップストリームする前に、まず2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)をカスタムオフラインメディアまたはISOイメージにスリップストリームしてください。 1. 以下のコマンドでmsuからcabを抽出します。(KB5000842での例)
2. 以下のコマンドでcabからSSUを抽出します。
3. これでSSU cab『SSU-19041.903-x64.cab』が作成されます。このファイルを最初にイメージスリップストリームして、次にLCUを入れてください。 カスタムメディアを使用してOSをインストールした際にこの不具合が発生した場合は、新しいMicrosoft Edgeを直接ダウンロードして手動インストールすることで、この不具合に対処できます。新しいMicrosoft Edge for businessを広範囲に展開する必要がある場合は、『ビジネス向け Microsoft Edge をダウンロードして展開する』を参照してください。 | ||
2021年6月29日公開の21H1 / 20H2 / 2004用セキュリティ更新プログラムKB5003637以降をインストールすると、Internet Explorer 11 (IE11)やWebBrowserコントロールを使用する64bitアプリケーションでPDFファイルを開けなかったり、Adobe Acrobatプラグインを使用しても灰色の背景しか表示されない場合があります。 IE11に関しては、『インターネット オプション』 → 『詳細設定』タブ → 『拡張保護モードで 64 ビット プロセッサを有効にする』にチェックが入っている場合のみ、本不具合の影響を受けます。
| この不具合が発生する場合は、以下の対処方法をご検討ください。 < 対処方法A > < 対処方法B: IE11限定 > Microsoftは不具合の解決に取り組んでおり、今後のリリースで修正を予定しています。 | ||
[New] KB5003690以降をインストールすると、USB接続のレシートプリンターやラベルプリンターといった特定のプリンターで印刷ができなくなる場合があります。
| Microsoftは、この不具合をKnown Issue Rollback (KIR / 更新プログラムをアンインストールしなくても問題の部分だけをロールバックできる機能)を使用して修正すると述べており、一般的なPC環境や、企業や組織に管理されていないPC環境の場合、放っておいても最大で24時間以内に自動的に修正されます。PCを再起動すると、早く修正される場合があります。 企業や組織等で管理されているPCでは特別なグループポリシーをインストールして設定することで解決できるとされています。詳細は『グループ ポリシーを使用して既知の問題ロールバックを展開する方法』をご覧ください。グループポリシーを設定後はPCを再起動する必要があります。 |